内容説明
大学生・社会人向けの世界史入門書は、星の数ほど刊行されています。これらの本は、世界史のさまざまな出来事・事象が「どのように」起こったのかという“経緯”を、くわしくていねいに説明してくれます。一方、それらが「どうして」起こったのかという“理由”はほとんど教えてくれません。この本は、みなさんが知りたいその「どうして」を、気鋭の世界史指導者がしっかり解説しています。世界史がわかり、そして好きになる本です!
目次
1 世界史の基本ルール
2 古代
3 中世
4 近世
5 近代
6 現代
著者等紹介
宇山卓栄[ウヤマタクエイ]
1975年、大阪生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。代々木ゼミナール世界史科講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kentaro
40
ヨーロッパでは18世紀に乳幼児の死亡率が低下し、人口が急拡大する。科学・医学が発展し、細菌という概念が人々のあいだで共有され、衛生上の意識が向上して、清潔な生活空間が保たれるようになった。これにより、感染症で死亡していた乳幼児の率が激減し、人口の増大に繋がった。また、古今東西の人口の増大には必ず、食糧増産という背景があり、18世紀のヨーロッパも例外ではなかった。この時代、農業革命という耕作・作付方法、品種改良、肥料技術などの飛躍的な改良が相つぎ、農業生産が増大した。生産高の拡大に比例して、人口も拡大した。2020/01/04
kazuさん
36
「階級闘争こそが社会であり、歴史である」、「下部構造は上部構造を規定する(経済的な要因が原因となって政治が動く)」などマルクスの主張した原理により世の中が動き、歴史が構築されると著者は考える。人間は派閥を形成し、右派=保守・富裕層、左派=革新・貧困層に分かれ、近・現代では、右派は資本主義、左派は共産主義に区分される。そのような視点から、世界史が俯瞰された内容であり、単なる入門書ではない。とても興味深く読んだ。2024/03/18
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
29
子供の夏休みの宿題用に選んできたのを斜め読み。作者は代ゼミの有名講師らしいですね。読み物か教科書かと問われるとやっぱり教科書。ただ、「何年にフランスで〇〇が起こりました」という無味乾燥なものではなく、何故それが起こったのか?という背景を中心に解説してあるのでストンと納得することも多い。例えばローマ帝国の盛衰。昔は(今でもかもしれないが)戦争はハイリスクハイリターンの投資ビジネス。金持ちが貧民を金で雇って傭兵とし、他者を征服して儲ける。みたいな説明。なるほどね。★★★2014/07/26
はる坊
24
面白かった!今まで僕が読んだ歴史系の本で一番だと思う。歴史の「どうして」がしっかりと書かれていて、理解が深まった。個人的には、昔の国名(例えば、西フランク王国)と現在の国名(フランス)の両方が書かれているのが過去を今と結びつけやすくて、良かった。歴史が好きな人にはぜひ読んでもらいたい、オススメの著書である。2015/03/02
べっち
24
★★★★★世界史の入門書としては抜群にいいと思います。少し偏った考えを持ってるようにも思いますが、これまでの世界史入門と違い、「どうして」戦争が起こったかなどの理由に力を入れているので、非常につながりが分かりやすい。特にヨーロッパでの争いや世界大戦などややこしい部分もしっかり理解できると思います。やはり、行き過ぎた経済格差により、国民が反発し国家が崩壊するケースが非常に多い。もうすぐ世界の富の半分を世界の富裕層の1%が持つことになるみたいだが、世界的に経済、税金、社会保障などの見直しが必要だと思う。2015/01/21