内容説明
真珠湾奇襲の20年前、日米は双方を仮想敵国とみなし、綿密な戦争計画を練りあげていた。太平洋の覇権をめぐるその戦略とは?―ワシントン会議にはじまる軍縮の時代に、水面下で火花を散らす日米の武器なき戦いを描く!
目次
1 太平洋の新秩序・ワシントン会議
2 日米の太平洋戦略
3 2つの演習
4 武器なき闘い・ロンドン会議
座談会 太平洋をめぐる日米戦略(伊藤隆;軽部淳;野村実;織田柳太郎;山本七平)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
1
最終的には「戦争で勝った方が正義」の帝国主義時代、シミュレーションで「勝てない」弱国となれば、あらゆる外交案件で譲歩せねばならぬ。軍備の背景には経済力、米国50倍。1921ワシントン軍縮条約のあと日系人のカリフォルニア州土地所有を禁じた排日法で反米感情は高まり、1930ロンドン条約ではアメリカからしか石油を買えないのも忘れたように仮想敵として勢力対等を主張し、それも34年破棄。軍艦の石油化とは軍備拡張で日本破滅の罠か?山本五十六は「相手を制限するための条約だから宜しい」と言った。大不況、ブロック化する世界2013/08/11
みなかみ
0
NHKで放送されたドキュメント番組を書籍化したもの。意外とオレンジ作戦について取り上げた本が無いので貴重ですね。此処で取り上げられているエドワード・ミラー氏の研究論文が日本語訳されているようで読みたかったけど、もう古書でしか入手出来ないみたいです。太平洋をノンストップで航行する計画を立てていた米軍だけど、石炭で動く戦艦ってそんなに燃費が悪かったんですね。2012/04/29