内容説明
「好きってなに?愛してるってどういう意味?」―16歳の少女・竹宮輝夜には“好き”という感情が分からない。次々とつき合う男を取り替えても、その感情を理解できない輝夜は、周囲に、そして自分の気持ちにすら嘘をついて傷ついていく。そんな彼女のそばには、輝夜を見つめ続けてきた幼なじみの沖菜くんがいて…。素直になれない少年少女の恋の顛末は―?高校生たちの奇妙な日常を描く、香奈菱高校シリーズ第2弾。
著者等紹介
日日日[アキラ]
1986年生まれ。2004年、高校在学中に第8回角川学園小説大賞・優秀賞を受賞。他に第6回エンターブレインえんため大賞・佳作受賞などをはじめ、合計五冠の新人賞に輝く。デビュー以来、ライトノベル、一般文芸、漫画原作とジャンルにとらわれず精力的に執筆を続け、著作はすでに50冊を超える(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Yobata
29
新風舎文庫版で既読済みなので再読。角川版はまだこの「うそつき」しか手に入れてないんだよね…。角川で発行するにあたって60ページもの減筆修正されてスマートになったけれど、物語に対する印象は変わっておらず、むしろ洗練された感じ。新風舎発の香奈菱高校三部作(講談社で四作目あり)の中では、一番口汚いけど最もストレートに心の中に入ってきて一番好きなのがこの「うそつき」なので、洗練された角川版も良かったけど、無駄かもしれない肉がついてる新風舎の方がリアル感があって好みかもw2015/01/18
らじこ
17
面白いともつまらないとも言えないのに気になって仕方なく、読みやすいが少し毒づいた主人公の口語で語られる文章を追っているうちに、主人公の純粋さや押し隠した本当の素顔に気づかされた。彼女の性格は投げやりに映るから読者を最初に選んでしまうだろうが、本当は誠実で優しく強がりで純粋な子だ。けど彼女には頑なに自分を隠してでも守りたいものがあり、やりきれず虚しくて悲しくて何もかもがどうでもよくなっても尚求めずにはいられないものがある。それに気づいていく過程で切なくなった。もう自由に、幸せになりなさいと感じた物語だった。2011/04/30
ゼロ
17
口が悪い主人公だったけど、物語が進むにつれ、生い立ちや感情が知れ、どんどん好きになっていきました。物語が終わる頃には、しっかりと成長した輝夜。恋愛青春小説でした。2010/11/25
アキラ@アニメと積読本を消化したい
16
上の上。香奈菱高校シリーズ第二弾。60ページくらい削っているだけあって、かなり読みやすい。しかし、軽過ぎる訳でも無く、第一弾の『ちーちゃん』に比べるとどろどろしては無いが、程よく重くて、心に何かを残してくれる感じ。主人公の輝夜の、「自分の感情がよく分からない」と言っていた(?)場面は、結構共感出来た。個人的には、輝夜のこのひねくれ具合が割と好きかな。あと、天月先生が優し過ぎて羨ましい。この作品は、主人公達は誰も死ななかったし、少しだけど前に進めていて、ハッピーエンド風に終わったから、読後感も悪く無かった。2015/04/20
凪
16
なんだかここでは評価が低いようですが、個人的にはいいと思います。それは自分がハッピーエンドの話が好きなだけなのか。はたまた日日日さんの作品を初めて読んだからなのか。とにかく、全体的に占める暗い雰囲気の中、最後の部分で救われたのは、読んでいてホッとしました。この作品はハッピーエンドになって欲しかったので。今度は香奈菱高校シリーズの他の作品も読んでみようかな♪2012/01/23