内容説明
この宇宙はどうして生まれたのか?宇宙の果てはどうなっているのか?“宇宙の本当の姿”を追い求め、ある独創的な理論に到達した宇宙物理学者。しかしこの理論に従うと、宇宙の寿命はわずか17日間ほどでしかなくなる。バカバカしいまでの理論の誤りを証明するために、彼は大がかりな実験を始めたのだが…。表題作のほか4編を収録。
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
1956年京都府生まれ。1987年、ゲーム創作集団「グループSNE」の一員となり、作家およびゲームデザイナーとしてデビュー。『時の果てのフェブラリー 赤方偏移世界』『ゴーストハンター』シリーズなどジュヴナイル作品で人気を博す。2003年、本格SFにして著者初の四六判ハードカバー『神は沈黙せず』(角川書店)を刊行。同作は読者の話題をさらい日本SF大賞候補に、さらに『アイの物語』(角川書店)では吉川英治文学新人賞候補となった。作家活動以外にも、クラシックSFアンソロジーの編集、トンデモ本を研究する「と学会」の会長など、その活動は多岐にわたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
83
パターンの違う5つの短編集、SFなのだがミステリ風の作品や宇宙創造論、ホラーにAIと人間の心を探る物語と、バラエティーにとんでいる。当たり前を崩そうとする、正にアイデアの宝庫の様である。タイトル作品は理論上のやりとりであり、切なくもあり屁理屈に感じなくもなしで、結局良く解っていない。好みとしては、ある日突然僅な人を残して、動植物や微生物までもが消えてしまう「審判の日」。残った女子高生と少年が出会い、心の葛藤と歩み寄りを描いている。何故、突然世界が終わるのかという謎解きが、あまりにも予想外で考えさせられた。2022/09/07
ざるこ
53
SFでミステリでオカルトチックでホラーテイストありの5篇。どれも鮮明にイメージできて映像化して欲しい作品ばかり。「闇が落ちる前に、もう一度」歴史を否定される絶望感。「屋上にいるもの」雨の日に屋上から聴こえる音。狂気に満ちてて背筋が凍る。「時分割の地獄」仮想人体に心は宿るのか。殺意を抱くことは?時分割の地獄が戦慄。「夜の顔」怖い怖い怖い!「審判の日」突如として世界のほとんどの生物が消失。生き残りと言えない結末が衝撃。どの物語も足元から地盤が崩されていく感覚。目の前の現実を信じられなくなる。山本弘作品は濃い!2021/09/03
はらぺこ
52
短編集。多少想像し過ぎて混乱するのも有りましたが全体的に好きです。 多分1番ベタで途中でオチも分かるけど『屋上にいるもの』が1番好き。『審判の日』は大阪に住む自分でも少し東日本大震災を思い出してしまったので被災地の人が読むと辛いかも知れません。 『世にも奇妙な物語』が好きな人にオススメと思います。2011/12/14
きっしぃ
46
5編の短編集。山本弘は短編でもすごかった!SFにホラーをメインに山本節が利いている!どれがベストか決めがたい…いや、すべてがベストと言っておこう。今年は、山本弘にどっぷりハマる年になりそう。2018/05/24
Akira
43
★★★☆ 最初の表題作は「?」って感じだったけど、他の4編は流石山本弘って感じ。これがあの、神は沈黙せずやアイの物語の基礎になったと考えるだけで嬉しい。夜の顏と審判の日が好き。いや、屋上にいるものや時分割の地獄も好きだな。2018/06/05
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