内容説明
イタリアの小村の教会から申告された『奇跡』の調査に赴いた美貌の天才科学者・平賀と、古文書・暗号解読のエキスパート、ロベルト。彼らがそこで遭遇したのは、教会に角笛が鳴り響き虹色の光に包まれる不可思議な『奇跡』。だが、教会の司祭は何かを隠すような不自然な態度で、2人は不審に思う。やがてこの教会で死体が発見されて―!?『首切り道化師』の伝説が残るこの村に秘められた謎とは!?天才神父コンビの事件簿、第3弾。
著者等紹介
藤木稟[フジキリン]
大阪府出身。1998年『陀吉尼の紡ぐ糸』でデビュー。ミステリー、伝奇、ホラー、SF、児童書など幅広いジャンルで活躍する。「バチカン奇跡調査官」シリーズ、「朱雀十五」シリーズ、「陰陽師 鬼一法眼」シリーズなど著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
和夜
101
今回は海外へ飛ばずイタリア国内での事件。今までの中では1番納得のいく、というかしっくりくる締め方だったかも。最後に大どんでん返しがあるわけでもなく、かと言って取りこぼした伏線があったわけでもなく。(ジュリア司祭の件は除く)キャラのビジュアルが出てきた事と比較的イメージしやすい西欧が舞台だったので、前巻より頭の中で登場人物を動かしながら読むことができました。前の方に出てきたウドルフ調査官はガルドウネに関係があるんでしょうか?2016/05/18
青蓮
82
再読です。今回は「まだらの道化師」の伝説が残るイタリアの小さい村で起きた奇跡の調査。黒幕のあの人とビル捜査官も再登場。本作はいい具合に纏まってて読みやすかったです。ロベルトと平賀の役割もバランスが取れてていコンビになってました。平賀の天然っぷりが微笑ましい。そしてロベルトが平賀の事が大好きすぎる件について。ロベルトにとって平賀は大天使なのね。2013/10/29
アイゼナハ@灯れ松明の火
76
平賀とロベルトの事件簿、第3弾は書き下ろし。読みやすくなってるなぁというのが正直な印象です。奇跡調査が奇しくも教会内部に巣食う闇の勢力の陰謀を暴く結果になるスタイルは前巻を踏襲。役割分担もさることながら、お互いの中に自分にはない相手の強さを認め、信頼し合っている点で、改めてこの二人って好いコンビだなぁと思いました。ガルドウネの内部について、も少しディテールを明らかにさせつつ、シリーズ化していただけると嬉しいな。2011/03/06
藤月はな(灯れ松明の火)
73
待ちに待っていた最新刊!!(万歳三唱!!)前期試験終了後、速攻でご褒美として買いました。意外と世俗的なバチカン内で純粋な平賀と生活能力や知識欲があり、優秀なロベルトは今までの事件やあの人のあまりにも魅惑的な誘いから信仰に対して揺らぐもののそれでも信ずるものを最後まで信じると決めたシーンに胸が熱くなりました。互いに信頼する者がいて神などの何かを困難があろうとも信じるからこそ、大切なのですね。だからこそ、あの人を評した平賀の言葉に納得しました。また、続編が出ることを期待します。2011/02/26
ひめありす@灯れ松明の火
69
この巻から、角川ホラーの黒い表紙になってしまったので、おどろおどろしくなるのかなーと、不安に思っていましたが、全然そんなことはありませんでした。序盤の平賀とロベルトの仲良しな行動を見ていると、それだけでほのぼのした気分になるので、これくらいなら読めるぞ、と思って安心して読みました。科学捜査と信仰と、相反するはずの二つを二人がちゃんと自分の中で折り合いつけている部分がお仕事小説としても楽しいです。トリックそのものは割と簡単だったかな?そして、あの御方は案の定暗躍されていますね。また出てくるのかしら。2011/11/15