内容説明
時は平安。稀代の陰陽師・晴明の孫でありながら、見鬼の才がまったくない安倍昌浩・13歳。都外れで打ちひしがれていると、目の前にぽとりと、不思議な白い物の怪が落ちてきて…(霧の籬を吹き払え)。年末年始の来客から身を隠すため、急遽安倍邸から無人の邸に移った藤原彰子。だがその邸には、さる姫君と笛師との、哀しい因縁が眠っていた…(うつつの夢に鎮めの歌を)など計4作を収録した、少年陰陽師選りすぐりの短編集。
著者等紹介
結城光流[ユウキミツル]
8月21日生まれ
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感想・レビュー
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七月せら
16
〈再読〉昌浩ともっくんの出逢い、車之輔の大活躍と大躍進、楽に宿る想いとほんの少し縮まった二人の距離、そして深雪の中の厳かな酒盛り。とても優しくて温かい心に溢れた短編集。けれど本編があまりにも切なく辛く張り詰めているので、なんだかとても儚い、うつつの夢のように感じてしまうのです。闘い続きな日々のつかの間のひと息に、心落ち着ける穏やかな時間が訪れますように。2018/10/31
梅みかん
14
昌浩ともっくんの出会い。ここであの誓いがあって、二人が相棒としてスタートしていく。昌浩にも物の怪にあんなに慣れてないころもあったんだね。このころはほのぼので落ち着く。2019/05/05
雪守
12
少年陰陽師シリーズ第一短編集。本編の方はかなり深刻な展開だったけれど、こちらは比較的和やか。親族から隠すために彰子が一時隠れ住むことになった屋敷での話の表題作が一番好きかな。やっぱり彰子と昌浩の二人にはほのぼのさせられます。車之輔が式になる話もテンションの高さと妙に愛嬌のある車之輔がお気に入り。もっくんに次いでマスコット的な立ち位置だよなあ。2012/09/24
まりもん
12
読んでいてこの短編集はもっくんが以前のもっくんの為、昌浩とのあの軽快な会話が聞けるので楽しかった。そのぶん本編に戻ったらあの重苦しい関係になるかと思うと・・・嫌だーー。2012/04/10
うみ
9
今回は番外編。車之輔が昌浩の式になるきっかけの話や、じい様と高淤の酒盛りの話、表題作の百夜通いに基づく恋の話など短編なれど読みどころ満載の一冊でした。2017/10/11
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