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内容説明
俺達の弱小事務所に回ってくるはずもない仕事だった。郡警の要請で、異界から出現する“禍つ式”を駆逐する仕事と、企業誘拐をめぐる巨額身代金の引き渡し。だが、偶然と思われていた二つの事件は、いつしか市全体を揺るがす災厄のゲームに変わる―超絶に非常識な相棒のせいで、ろくな人生を送れないとは分かっていたが、どうしてこうも最悪の敵に遭遇するのか、誰か教えてほしい。ダメ咒式士二人組が放つ、テクノマジック第2弾。
著者等紹介
浅井ラボ[アサイラボ]
7月12日生まれ。岡山・広島育ち
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
藤月はな(灯れ松明の火)
32
当時、世間はセカチューや『東京タワー』などの「泣ける本」が大ブームであった。そんな中、スニーカー文庫のSFバトルファンタジーものは、読者を容赦なく、絶望へと叩き込んでいたことを実感した一冊。意識を持ちながら化け物になる人間や極限状態での人間の剥き出しのエゴや絶望、拷問と少女への強姦、腹を切られた上に病毒入りで内臓を撫で回される描写に読んでいて青褪めることしきりでした・・・。そしてラストでの世界への絶望故に苛烈な道を選び、人間には絶望していなかったであろう人物の呆気なさに世界の無常観をより強く、感じました。2013/11/29
夕飯係り
7
され竜第二巻。ノリ・テンポ・濃さをそのままに新たな闘争へ…前巻に引き続きとにかく濃かった!結構読んだ気がするのにページ数的には全然進んでいない。しかし文章がぎっしり詰まっているわけでもない。本としての厚さはあるものの、内容はそれ以上…。軽いポルナレフ状態に。相変わらず政治・咒式の説明は取っ付き難いものがありましたが「すごくすごいって事かフムフム」と読ませて頂きました。今巻は時系列が混ざっていた為、ちとわかり辛かったなと。最後の回収にはちとやられました。果たして彼らは何処まで踊り続けるのか…次巻も期待!2012/11/28
らゆ
5
果てしない絶望が心を抉る。レメディウスの悲痛な叫びが突き刺さりました。非情になれる人間だけが生き残り、優しい人間は耐えがたい苦しみを抱えて死んでいく……。何を選択すれば正しく平和な世界が訪れるのか。この物語を見る限り、そんなものはないのかもしれないと思ってしまいます。自らの選択に苦悩し揺らぐガユスとギギナの過去にも、暗く重いものが横たわっているようです。知りたいような、知りたくないような……。彼らの掛け合いにくすりと笑う、平和に暮らしている姿に安らぐ、そんな何気ない日常を見られる日が来たらいいのになぁ。2010/11/17
ひのえ
4
愛と愛、正義と正義の戦争。天才レメディウスの葛藤と煩悶。何も解決せずに終わるの後味の悪さは、まさにされ竜(褒め言葉)。内容が重く、読んでいて疲れるが、戦闘シーンは一巻よりも激しさを増した。同時に増えた科学用語にはお手上げ。レメディウスの「これでナリシアのすべては僕の中だ」はされ竜で二番目か三番目くらいに好きな台詞。2014/04/05
ジュン
4
足掻くしかないけれど、足掻いたからといって必ず救われるわけでもない。複雑に絡み合うあの世界で、主人公たちがどう生きていくのかもだけれど、膨大な恨みや哀しみや憎しみに包まれた天才レメディウスの運命に一番心を打たれた。相変わらず戦闘中は解説役が多いけれど、ここぞという時に逆転してくれるガユスの発想がかっこよすぎる。彼もなんだかんだで天才なんじゃないですか。ガガガ版読んだことないけれど、このままスニーカー版読み進めたいな。見つかりますように。2012/04/23