内容説明
3人の少女はそれぞれの夢を見る。空の音が響く庭園。名前を呼ぶ声。砂に刻まれた足跡はすべて未来へと続き、彼女たちの見る夢は少年を動物園に導く。「動物園襲撃計画」と記された青いノートが彼らの手から手へと受け渡されて、少年と少女たちは新月の水曜日、動物園を襲撃する。二度と訪れることのない、少女たちの季節をみずみずしく描いた青春ラブ・ストーリー。
著者等紹介
白倉由美[シラクラユミ]
1965年千葉県生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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yamakujira
4
元気溌剌な陸ちゃんと、斜に構えて彼女をものにした小沢君、高校を中退して上京した森君と、彼を追ってきた勇魚ちゃん、血縁のない兄を想う空音ちゃん、5人の高校生が森君の兄が遺した「動物園襲撃計画」のノートでつながり、深夜の動物園に忍びこむ。情緒不安定な勇魚を筆頭に登場人物の実在感が乏しくて、輪郭がはっきりとしない淡色の水彩画のような、ふわふわした不思議な物語だった。視点の変換が頻繁なのがせわしなく思ったら、もともとラジオドラマ用に書かれたそうで納得。スニーカー文庫だったから児童小説かな。 (★★★☆☆)2019/09/12
YH
3
再読。出て来る3人の少女達がもう、「少女そのもの」って感じが好き。森と勇魚のその後が曖昧だけど、幸せになれたのかな?2025/05/31
うさぎ
3
【初読】文字を目で追うのですが、何だか上滑りしてお話がなかなか頭に入って来なくて、読み終えるのに時間がかかりました。私の中のイメージはブラウン管のレトロな白黒テレビに映し出されている線の細い登場人物が出てくるアニメとして、脳内で再生されていました。もう一度読めばもう少しはまともな感想が書けそうですが、再読するかどうかは微妙かな?2021/08/18
竜
2
つかみどころのないふわふわした印象の本だった2015/10/06
すん
2
★★★☆☆ 綿菓子みたいに甘くて、ふわふわと頼りなくて、儚げな物語。1冊の「動物園襲撃ノート」が次々と5人の少年少女達の手に渡り、話し手がコロコロ転換していくところは、恩田さんの『ドミノ』を思い出させました。表現も繊細でキレイです。登場人物達に異常にリアリティがなかったけど・・・実際の高校生はもっと現実的で打算的なはず!!笑 ちょっとわかりにくいところも多かったけれど、『夢から、さめない』ってことは、動物(=檻に閉じこめられた心)を解き放って、願いを祈り続けてってことなのかなと思いました。2009/09/21