内容説明
デビュー以来、買い物依存症にはじまり、ホストにハマり、美容整形にハマり、そしてついには風俗へと足を踏み入れてしまった作家・中村うさぎ。これは無目的な狂態なのか?はたまた確信犯的挑戦なのか?いばらの道を突き進む自分を「愚者」であると認識し、一見無軌道とも思えるこれまでのハチャメチャな迷走ぶりを総括した、傑作エッセイ!「愚者」は何かを悟れたのか―。
目次
愚者という名のカード
欲望の果てに
女にとって自己とは、そして他者とは
書き手の業と性
敵はどこにいるのか
家族という呪縛のもとで
肉体の檻
信頼と赦し
夫のことをもう少しだけ
買い物依存、ホスト熱、そしてデリヘルへの挑戦
著者等紹介
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、『ゴクドーくん漫遊記』で小説家デビュー。ファンタジー小説の分野で活躍する一方、自身の壮絶な浪費生活を綴るエッセイ「ショッピングの女王」シリーズで注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
やまねっと
16
中村うさぎの悩みは深い。人間の根源を探っている様である。自分を愚者と称し懺悔という文章を綴っている。 僕からみたら答えはない、というのが結論だ。依存体質の著者がハマったらそこから抜け出るのも苦労した様に、救済という藁を掴めたのも夫がいたからだと思う。たとえ夫がゲイであれ数々の愚行を赦してくれた夫は人格者だと思う。 辛い経験だったと思うが、一つ答えを導き出せたのならこの本を出せたことが救済の一つだったのではないだろうか。 もう30年近くファンなので何がなんでも応援してます。本出したら買います。2024/10/21
、
5
中村うさぎの自己を解剖する能力はほんとうにすごい。いつもおもうけど。よくこれで本当に発狂したりしないなと思う。彼女が拘ってる客観性のお陰なのか、思考の流れに無理がないからきちんと理解できてああーーこんな人もいるのかあ、という気持ちになる。彼女はたしかに凡庸だと思うけど(天才ではないよねもちろん)でも思考停止を絶対しないっていてやるっいうプライドにまぶしい非凡さがあるよね。最近ニュースでみたけど病気大丈夫かなあ。2013/12/22
PPP
4
★★★★★:『愚者…すべてのものを手に入れ、すべてのものを無に帰す者。素晴らしきアンポンタン。』大概の人は自分の底の愚者を抱えて、ひた隠しに賢者のフリをしたりするもの。自分が本当に欲するものは何なのか?うさぎ氏の苦悩は女性の真髄をついている。うさぎ氏の愚かさは奇抜な行動(ただただ欲求に我慢がない)であって、深層心理は皆大差ないのかもしれない。正面切って愚者なる自分自身に問いかけられる勇気に突き抜けた信念を感じます。女たちの〝同族嫌悪〟は根が深い!に…苦笑&痛感でした。2017/05/04
なつき
2
エッセイ『愚者の道』再読。中学のときにこれでもかってほど読んでいて、ひさしぶりに読んだのだが、あのときよりは言葉がどうしてもこれしかないけど「わかる」ようになってたなー。それは、けっきょくのところ、最終的に究極的には「わかんないんだ」ってとこに行き着くわけで。仄暗い快感ね……。2019/02/03
妾狂い めいとく
2
胸に突き刺さる。特に最後の夫の言葉と優しさに。2014/09/17