内容説明
カリスマホスト・リョウの上客で豪遊を続けていた有閑マダムが400万円のツケを残して行方をくらませた。愛するリョウを救うため、客の一人で多重人格を抱える女は危険な風俗に身を投じる。一方、色恋営業の相手でもある女探偵と共に消えた客の行方を追うリョウは、意外な事実にたどり着く。一人のホストをめぐって幾重にも張り巡らされた愛と憎しみの糸が、やがて思いもかけない衝撃の結末へと導く傑作、恋愛サスペンス。
著者等紹介
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県生まれ。同志社大学卒業後、OL、コピーライターを経て、『ゴクドーくん漫遊記』(角川スニーカー文庫)で小説家デビュー。ファンタジー小説の分野で活躍する一方、自身の壮絶な浪費生活を綴るエッセイ「ショッピングの女王」シリーズ(文春文庫)で注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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明智紫苑
5
以前、ハードカバー版を図書館で借りて読んだのを、アマゾンで文庫版を注文して読む。第一話の主人公の設定がいわゆる属性過多なのだが、最後の加筆修正というどんでん返しに驚いた。話は変わるが、2000年前後の「ホストクラブブーム」というのは、実は若い女性のセックスワーカーの卵を確保するために、業界がマスメディアと結託して仕掛けたものだったのではないかと、私は邪推している。2023/08/16
柳田
5
よい。2018/08/24
CCC
4
素晴らしいタイトルセンス。『幻想』とか『ファンタジー』といった言葉が思い浮かぶ。資本主義的純愛小説。2013/05/09
mari
4
けっこうシリアスな本だった。ホスト絡みを書かせたら経験者は語るの通り、非常にリアルで胸が痛くなるほど。うさぎさんの面白エッセー自虐本もいいけど、この手のシリアス以上ほぼイっちゃってる本も好きです。2011/08/26
ゆ
4
小説です。女キャラが全て作者の分身なのは良いとして、ホスト達の心情は…女に都合よく妄想されすぎてる気がする。自らもホストの色恋にハマったことをエッセイで明かしている著者だが、これはどの時期に書かれたものなのだろう?2011/05/27