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出版社内容情報
富野 由悠季[トミノ ヨシユキ]
著・文・その他
内容説明
宇宙世紀も一世紀をかぞえ、スペースコロニーに暮らす人々と、地球に住む特権階級の確執は、ますます激しくなっていた。連邦軍第13独立鑑隊のブライト・ノアを父にもつ青年ハサウェイは、マフティー・ナビーユ・エリンを名乗り、宇宙植民者の声を代弁しつつ、連邦政府高官の暗殺を続けていた。マフティー打倒の尖兵であるケネス大佐は、新型モビルスーツ“ペーネロペー”を入手。さらに、“勝利の女神”である少女ギギと同行することで、マフティー(ハサウェイ)に有形無形のプレッシャーをかける。一方、ハサウェイを思い、ケネスのもとを離れたギギは―。巨星・富野由悠季の「機動戦士ガンダム」シリーズ最新作、衝撃のクライマックスへ。未体験の悲劇が、ここに示される。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Die-Go
86
図書館本。約30年振りの再読。何となく読みたくなって読み始めたはいいが、はまってしまって連日夜更かし。「シャアの反乱」をくぐり抜けたハサウェイ・ノアがΞ(クスイー)ガンダムを駆り、反地球連邦政府の先鋒となって戦う。結末は覚えていたが、そこに至る過程はこんなにも早く来るとは思ってなくて、唖然。映像化して欲しいけど、宇宙戦がないからちょっと地味になっちゃうかな。。。★★★★☆2017/11/19
『よ♪』
66
今度のガンダムは嘗てないほどの悲劇だ──"人類が汚染した地球にはもう人が住んではいけない" これが物語の主軸だが描かれるのは政府閣僚の杜撰さ、身勝手な特権階級意識、一般人との感覚の齟齬。エリート官僚の頭の良さと実行力の無さ、そして忖度。低い環境意識。全て現実社会に蔓延る姿の投影。閣僚の地球居住権拡大の決議をするアデレート会議。テロリストはこれを襲撃、殲滅する作戦を開始する。心理の裏をかく奇襲作戦が成功したが…。作戦後の悲劇、最後の70頁。再読で内容も結末も知っていた。それでも一気読みだった。2019/06/16
MICK KICHI
65
ファーストから続くサーガも一旦の幕を引いた本作。ニュータイプの概念から離れて、地球圏内でのマフティー動乱に集約したストーリー展開。悲劇を常に纏わされたノア家の運命を描きながら、宇宙世代になっても尚、皮相な階級意識しか持たない人類へアイロニーを強く感じる。ハサウェイの潔い生き方がそれだけ際立って見えるのが哀しい。2020/06/30
kinnov
43
荒い呼吸音を響かせ宇宙を進むザク。衝撃的なオープニングから始まったガンダム宇宙世紀は、こんなにも悲壮な物語として幕を降ろした。既得権益に縋る醜い大人たちの抑圧に対して、反骨や反乱で立ち向かった少年とそれを見守る青年の物語が、40年の時を経た今、新たに胸を熱くする。友としてのケネス。恋、性欲、友情の混沌とした対象のギギ。二人と出会えたハサウェイは、幸せだったのだと思いたい。富野御大の冷徹さと暑苦しさ、反骨と屈服、煩悩と純粋、幾つもの魂の核が凝縮されたサーガのラスト、しっかりと受け止めた。#ニコカド20202020/12/18
Die-Go
33
この展開は何度読んでも胸が痛む。ケネスの苦悩、ギギの悲痛、そしてハサウェイの覚悟。映画ではどのように描かれるのか。★★★★☆2022/07/27
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