出版社内容情報
吉永 良正[ヨシナガ ヨシマサ]
著・文・その他
内容説明
ギリシア随一の賢人ピタゴラス、死の間際まで図形問題に取り組んだアルキメデス、最後の魔術師ニュートン、数学の王ガウス、決闘にたおれたガロア…。数の謎に挑んだ数学者たちの生涯を辿れば、数学はぐっと身近になる。天才・異才の波瀾万丈のエピソードを紹介しながら、幾何学の誕生や現代数学の謎を解説。2500年余の数学史をひもとき、教科書や参考書では分からない数学の魅力を伝える。
目次
第1章 古代ギリシアの謎―ピタゴラスと3大作図問題
第2章 ヘレニズムの輝き―ユークリッドとアルキメデス
第3章 考える葦と魔術師―デカルトからニュートンまで
第4章 万能数学者の遍歴―オイラーとその後継者たち
第5章 数学の帝王一代記―ガウスの時代、その光と影
第6章 神々の愛でし人々―アーベルとガロア、数学の夢
著者等紹介
吉永良正[ヨシナガヨシマサ]
1953年、長崎県生まれ。京都大学理学部数学科、及び文学部哲学科卒。大東文化大学文学部准教授。専門は哲学・論理学・科学論。科学の哲学的解釈を主要課題とする一方、数学をはじめ生命科学、宇宙論などの最新科学を解説するサイエンス・ライターとして活躍。『数学・まだこんなことがわからない』(講談社)で第7回講談社科学出版賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
inami
30
★3.5 数学が特に好きということでもないのだが、『フェルマーの最終定理』(サイモン・シン)は自分のベスト5に入る書籍で何度か読み返している。生涯を数学(数)に捧げた天才数学者の物語は実に感動的で魅かれる。本書は古代ギリシャ時代のピタゴラスからヘレニズムのアルキメデス、ニュートンを経てガウスやリーマンまで35名の数学者が登場する。数学的内容そのものより歴史・社会的な背景を織り交ぜた人物伝となっていて、読みやすくしっかり楽しめます。2024/08/30
牧神の午後
8
高校理系程度の数学知識が特に最初の方では必要で、そこで挫折する人も多いかも。それさえ乗り越えれば、人間ドラマ。ただ例えばサイモン・シンのような一つの謎に挑むではなく、基本は列伝なのでどうしても、数学者の生涯を通り一遍でなぞっている感はぬぐえない。もちろん数学者達の生涯は政治に翻弄されたり、赤貧芋洗うが如しだったり、その中で数学に血道を上げる凄まじさに戦慄を覚えるのだけど。2017/07/31
KOU
4
登録するまで再読だと気づかなかった。似たような違う本を読んでいたつもりだったのだけど・・・。改めて読むと学校で学んでいる数学ができたのはここ数百年の話。近代の学問になるとあまりに細分化され専門家されているため、一般人の理解には至らない気がする。数学史という一つの物語として楽しめた。2018/09/19
KOU
3
数学が得意なわけではないが、数学に関わる人物たちには興味があったため手にとった。古くはタレスから近代ではガロアまで。著名な人物たちの思考が語られる。本格的な数式は限られているので、物語として興味深く読むことができた。もう少しだけ数学を学び直してみようか?とも思える。2018/01/12
BIN
3
古代ギリシアから19世紀のガロアまでの天才数学者の伝記というかエピソード集。古代ギリシア人は凄いな、高校数学の図形で出てくる定理の人がわんさか出てくる。公式とか数学チックなところはそんなにないので、数学嫌いの人も読めると思うので入門書としては良い。それにしてもコーシー、数学者としては偉大だけど、2度も重大な論文を紛失するとは・・・やはり天才はどこか抜けているのだろうか。2015/03/23