内容説明
「空気」に重さがあることが発見されて以来、さまざまな気体の種類や特性が分かってきた。空はなぜ青いのか、空気中にアンモニアが含まれるのはなぜか、二酸化炭素が「固まる空気」と名づけられた理由など、身近な疑問や思わぬ発見を、やさしく解き明かす。空気が「魂」のようなものだと考えられてきた頃から、その働きや生活との結びつきが明らかになるまでの歴史を豊富なエピソードで振り返り、科学を楽しくしてくれる名著。
目次
第1部(目に見えないもの;空気にも重さがある;私たちをつつむ大気―その重さ;ガス(気体)という考えと、その名のおこり ほか)
第2部(アルゴンの発見;なまけもののアルゴン;太陽の物質―ヘリウム;ヘリウムと放射性元素 ほか)
著者等紹介
三宅泰雄[ミヤケヤスオ]
1908年岡山生まれ。31年東京大学理学部化学科卒。北海道大学助手を経て中央気象台気象技術官養成所(現気象大学校)教授、気象研究所地球化学研究部長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おせきはん
23
空気に関連する研究・発見の歴史をわかりやすく伝えるとともに、学ぶことの大切さを語りかけています。中学生か高校生のときに読んでおきたかったです。2023/12/22
龍磨
19
大きな発見をした偉大な学者の研究の裏には、名もない学者の努力が生きている。 悪者扱いされる二酸化炭素も植物から出来る砂糖、脂肪など自分たちの栄養になっていていることが分かり、これを人工的に化合出来るようになれば食料問題も解決される。 酸素の発見に時間がかかったのは意外だった。2021/03/05
那由多
19
《カドフェス2020》空気に重さがあることが発見されてからの、「空気」に関するあらゆる発見と進展を、科学者のエピソードと共に語っている。内容は中学生向きのようだけど、理科が苦手科目だった私には難しめ。昭和37年の著作だが優しい語り口と相まって、読みにくさも古臭さも感じない名著。これから何度も読み返したいので、本棚行きに決定です。2020/07/22
RASCAL
18
昨年のカドフェス本。昭和37年に子供向けに書かれた本。科学の歴史を学ぶことは、科学の精神を学ぶこと。子供の頃に読めば良かったかな。2021/03/29
ロビン
15
ファラデーの『ロウソクの科学』が面白かったので調子に乗ってこちらも読んでみた。こちらは実験講演の記録とかではなく、空気の発見の歴史と、科学者たちの偉大で時に風変わりで時に悲劇的な人生、そして空気の組成や働きを若い人向けに優しい語り口調で説いた内容となっている。空気の重さから元素や分子、膨張系数、気体反応の法則の発見、空が青い理由まで、やや難しい所もあるが大変面白く読めた。また、ガリレオやラヴォアジェなど科学者の人生を語ることで科学的真理の探求という道の厳しさや尊さを語ってくれるのもよい。文系にもお勧め。2019/11/07
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