出版社内容情報
権力の変遷を鮮やかに読み解く、新しい日本中世史源平争乱から戦国時代を経て、徳川幕府完成まで――。貨幣経済の浸透、海の民の活躍、一神教の衝撃、東西の衝突などの刺激的な視点から、武士が「戦士から統治者としての王」となったプロセスを追う。
本郷 和人[ホンゴウ カズト]
著・文・その他
高柳 雅人[タカナヤギ マサト]
著・文・その他/イラスト
内容説明
中世は「武士の時代」だった!覇権をかけた武士たちの闘い、そして武家政権としての将軍権力の実態とは?源平争乱から戦国時代を経て、徳川幕府完成まで―。貨幣経済の浸透、海の民の活躍、一神教の衝撃、東西の衝突などの刺激的な視点から、武士が「戦士から統治者としての王」となったプロセスを追う。先入観や従来の教科書的な史観を排し、その時代の「実情」から、権力の変遷を鮮やかに読み解く、新しい日本中世史。
目次
第1章 中世の王権
第2章 実情と当為
第3章 武門の覇者から為政者へ
第4章 土地と貨幣
第5章 東と西
第6章 顕密仏教と新しい仏教
第7章 一向宗、一神教、あるいは唯一の王
著者等紹介
本郷和人[ホンゴウカズト]
1960年、東京都生まれ。東京大学文学部・同大学院で日本中世史を学ぶ。専攻は中世政治史と古文書学。東京大学史料編纂所教授。『大日本史料』第五編の編纂にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
13
易しい内容ではないので、文章がつかみづらく、文字の上を目が滑る状態になってしまった。第4章「土地と貨幣」が面白かった。古典をきちんと読みたい。「吾妻鏡」あたりはもっと若い頃に読んでおくべきだった。2013/10/11
はまゆう
2
歴史嫌いな人にこそ読んでほしい本 様々な視点から中世を解説してくれるが あとがきこそ読むべき 歴史を知る学ぶべきフローについて 自分も当為じゃなく実情視点で見るべきだと同意2024/03/23
茶幸才斎
2
権門体制論に異を唱え、鎌倉・室町期の武家政権を、地域を従えて「自立」し、統治に責任を持って「自律」し、「袖判下文」に見る主従関係を備えた「王権」と定義し、その姿を「当為」(あるべき姿)より「実情」(現にどうか)を重視して解釈すると、こんなに面白い中世国家の特質と変遷が浮かび上がると、朝廷や仏教勢力との関係を交えながら持論を展開している本。筆者には、従来ない解釈で少し変わった歴史像を読者に見せてやろう、との野心的意図がある。学者の態度としていかがなものかと思うが、読んで楽しい内容に仕上がっているのは確かだ。2013/10/18
OTR
1
本郷和人氏の、中世武士論の本(先生のサイン入り)。とにかく、中世武士の概観という感じで、大枠を沿って行く論調。さらに、二項対立、年代を外す、といった、大丈夫かと思うこともやっていたが、実際、基本書と変わらない。通史というよりは、歴史理論の基本書かな、と。最後の歴史に関する考察は参考になる。2014/04/21
kawasaki
1
「中世」という時代の特質と、その時代の「武士」を論じる大きな議論。中世の始まりと終わりへ時間を自在に移動し、ローカルから東アジア規模までフォーカスを切り替える。「歴史学者の書いた歴史の本」へのある種のイメージを打ち壊す刺激的な本であるが、その背景に歴史学・歴史教育のあり方への思いがあることがあとがきに記されている。2013/06/21