出版社内容情報
稀代の専制君主が恐れたものとは。白河法皇の実像と院政誕生の背景に迫る。賀茂川の水、双六の賽、山法師。これ以外思い通りにならないものはないと豪語した白河法皇。激動の時代にあって、角逐する政治勢力から天皇制を守るために院政を生みだした「専制君主」の、知られざる実像に迫る。
美川 圭[ミカワ ケイ]
著・文・その他
内容説明
賀茂川の水、双六の賽、山法師。この「三不如意」以外すべて意のままに出来る。絶大な権勢を誇り、そう豪語したと伝えられる白河法皇。果たして彼は専制君主だったのか。摂関家、強訴する武装僧侶など政治勢力が競合する中世にあって、天皇の権威を守り、天皇制を存続させるために何が必要だったのか。院近臣や武士勢力の育成、院政という新たな政治制度の創出―。謎多き白河法皇の実像を問い直し、稀代の専制君主を生み出した歴史の真実に迫る。
目次
第1章 専制君主の誕生(父、後三条天皇;専制君主への道)
第2章 院政とは(王の人事;上皇と天皇の関係 ほか)
第3章 だれが院政を担ったのか(変わる貴族;台頭する武士)
第4章 強訴の時代(なぜ強訴するのか;王家の権威)
第5章 都市王権としての院政(平安京と白河;鳥羽と宇治)
著者等紹介
美川圭[ミカワケイ]
1957年、東京生まれ。京都大学大学院文学研究科博士後期課程指導認定退学。京都大学博士(文学)。日本中世史専攻。現在、立命館大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroshi
7
NHK出版より刊行されたものを文庫化した。白河法皇の生涯を描きながら、専制君主を生み出した歴史を見ていく。古代から中世へいという時代の転換点にあたり、白河法皇の行為は意思とは別に時代を前へ前へと進めて行くように作用したのだった。◆白河法皇は1053年に、父を後冷泉天皇の皇太弟尊仁親王、母を藤原北家閑院流の権中納言公成の娘茂子として生まれた。1068年に父が後三条天皇として即位した。宇多天皇以来170年ぶりの藤原氏あるいは摂関家を外戚としない天皇であった。藤原頼通の異母弟能信(茂子の養父)のおかげであった。2020/04/16
pogeko
1
なぜ摂関家から院に権力が移ったか、院政期に向かって政治システムがどう変化していったかという話に読ませるものがある2019/02/11
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