出版社内容情報
悠久の大地をめぐり繰り返された、数々の王朝の興亡が簡潔にわかる!
中国の太古から南宋末までを簡潔に記した歴史書から、注目の人間ドラマをピックアップ。伝説あり、暴君あり、国を揺るがす美女の登場あり。日本人が好んで読んできた中国史の大筋が、わかった気になる入門書!
内容説明
歴代18種類の史書から編まれた『十八史略』。本書では、伝説の聖人の時代に始まり、春秋戦国を経て中国統一へと向かう時代に焦点をあてる。美女妲己とともに暴虐を尽くした毀の紂王、才知で函谷関を突破し「鶏鳴狗盗」の故事を生んだ孟嘗君、秦の始皇帝の出生からその死。小説やビジネス書の題材としても読み継がれてきた古典の名著からは、ドラマチックな人間模様が見えてくる。紀元前の中国史がわかった気になる入門書。
目次
第1章 聖人の時代(黄帝―指南車を作る;黄帝―華胥の国に遊ぶ ほか)
第2章 聖君から暴君へ(夏の桀王―一鼓して牛飲する者三千人;毀の湯王―命を用いざる者は、吾が網に入れ ほか)
第3章 争覇の時代(宋の興亡―宋襄の仁;斉の興亡―管仲と晏子 ほか)
第4章 統一の時代(始皇帝の出生―此れ奇貨なり。居くべし;客卿李斯―泰山は土壌を譲らず ほか)
著者等紹介
竹内弘行[タケウチヒロユキ]
1944年愛知県生まれ。名古屋大学名誉教授、愛知学院大学非常勤講師。専門は中国思想史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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itokake
12
十八史略とは歴史書18種の概略という意味。18種のうち17の歴史書は確定していて、その巻数を足すと1945巻!!似たような概略本に『資治通鑑』があるが、概略とはいえ全294巻。この入門書はまとめをさらにまとめてあり、わかりやすい。中国史を学ぶ上で基本的な考えも知ることができた。例えば、中国では長い間、古い程よい時代という考えがあり、これを尚古史観という。母が巨人の足跡を踏んで生んだなど、出生が凡人と違うのは感応説話。地上の人の動きと、天上の星の動きが相互に関係づけられているのは天人相関(北斗の拳みたい)。2023/03/16
大先生
10
始皇帝に仕えた李斯が面白い考察をしています。【便所のネズミは汚物をおどおどしながら食べている。役所の穀物倉庫では太ったネズミが貯蔵された穀物をのうのうと食べている。人間もこのネズミのように居場所で決まる】と。今も給与水準は業界によってある程度決まりますよね。例えば金融系は高く、小売系は低いなど。努力してるし、有能だという自負もあるのに報われていないと感じる方は居場所を間違えているのかもしれません。因みに、同門の韓非子を自殺させた李斯は嫌いです。2025/05/10
吟遊
9
簡潔で楽しめる。堯舜はいいな。2020/01/14
ダージリン
4
十八史略というが、元になっている十八種の歴史書が確定していないことに先ず驚いた。歴史書としての評価が低く、本国よりもむしろ日本で長い間読み継がれてきたというのも驚きだった。勝手に敷居が高いと思い込んでいたが、意外とそうでもなかったようだ。中国を材にした歴史小説は割合好きで、聞いたことがあるエピソードは多かったが、こうしてまとめて読んでみると頭が整理されて良い。殷の紂王を討って周が起こるところなどはやはり面白い。この本では始皇帝の死までのトピックが選ばれているが、より後代のものも読んでみたくなる。2020/01/05
ひろ
3
★★★☆☆。おおよそ神話時代から宋王朝までの歴史を俯瞰したまとめ的な編纂書。そもそもがハイライトの性質を持つ書のビギナーズ版なので内容の端折り度が強くなるのはやむなしか。黄帝や紂王など、君子の理想像や反面教師については今の中国に至るまで脈々と受け継がれているイメージの雛形となったものもあり興味深い。ここを入り口として各自の興味のある年代を更に学ぶ、という使い方が正解と思う。2022/07/03