内容説明
平安時代の宮廷生活を活写する回想録。華麗な生活に溶け込めない紫式部の心境描写や、同僚女房やライバル清少納言への冷静な評価などから、当時の後宮が手に取るように読み取れる。道長一門の栄華と彰子のありさまが鑽仰の念をもって描かれ、後宮改良策など、作者が明確に意見を述べる部分もある。話しことばのような流麗な現代語訳、幅広い話題の寸評やコラムによる、『源氏物語』成立の背景を知るためにも最適の入門書。
目次
1 出産まで
2 敦成親王誕生
3 豪華な祝い事
4 一条院内裏へ
5 消息体
6 年次不明の記録たち
7 寛弘七年記録部分
著者等紹介
紫式部[ムラサキシキブ]
平安時代の物語・日記作者、歌人。『源氏物語』の作者として有名。家集に『紫式部集』。中古三十六歌仙の一人。文人であった父の薫陶のもとに育ったらしい。物語創作の才能によって一条天皇中宮彰子(藤原道長の娘)に出仕、『源氏物語』の執筆を続ける
山本淳子[ヤマモトジュンコ]
1960年石川県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。高等学校教諭の経験のあとに大学院に入り、金沢大学などの非常勤講師を経て京都学園大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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