内容説明
末法思想が信じられ絶望が人びとを襲った鎌倉初期、法然はただ念仏だけを称えれば、誰でもたやすく仏が救済してくれると説いた。この革命的な思想の正当性を、九条兼実の求めに応じて法然自身がまとめたのが本書である。法然の教えは、従来の仏教的価値観を根本的に覆したため旧派仏教徒から非難を受けるが、その後の仏教史を大きく変えた。仏教界に衝撃を与え、かつ多数の信者を得た法然の主著を、平易な訳文で読み、その強靭な求道の精神の魅力に迫る、浄土宗・浄土真宗の基本文献。
目次
標章 道綽禅師が、仏教を「聖道」と「浄土」に分け、「聖道」を捨てて「浄土」に帰せよ、と説く文。
引文第一 道綽禅師の『安楽集』上には…
私釈 宗派の根拠/「浄土宗」の立場/さまざまな分類/「浄土宗」の師資相承
標章 善導和尚が浄土往生のための行を「正」・「雑」の二つに分けて、「雑」行を捨てて「正」行に帰依するように勧めている文。
引文第一 善導はその著『観経疏』の第四において…
私釈 正・雑二行の得失
引文第二 善導の『往生礼讃』は…
私釈
標章 阿弥陀如来は称名以外の行をもって往生の本願となしたまわず。ただ念仏をもって往生の本願となしたまえる、という文。
引文第一 『無量寿経』の上に…〔ほか〕
著者等紹介
阿満利麿[アマトシマロ]
1939年京都市生まれ。京都大学教育学部卒。NHK社会教養部チーフ・ディレクター、明治学院大学国際学部教授を経て、同大学名誉教授。専攻は日本宗教思想史。主著に『宗教の深層』(サントリー学芸賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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