内容説明
「風林火山」の旗の下、戦国時代最強の騎馬軍団として恐れられた武田軍団。その兵法をまとめた『甲陽軍鑑』は、軍略家・武田信玄の手の内を明かしている。『甲陽軍鑑』は、江戸初期の成立以来、甲州流兵法の基本文献として重要視され、講談・小説に語られる信玄のイメージを決定付けたほどよく読まれた。戦国史研究の第一人者が、その面白さを現代人向けに紹介し、軍略家・信玄の魅力を十二分に解き明かした入門書。
目次
第1章 『甲陽軍鑑』は史料としてどこまで使えるか
第2章 『甲陽軍鑑』の構成と内容
第3章 『甲陽軍鑑』末書の概要
第4章 史実とのくいちがいがあるのはなぜか
第5章 山本勘助の実像と『甲陽軍鑑』
第6章 『甲陽軍鑑』に描かれた信玄の合戦
第7章 『甲陽軍鑑』から信玄の名言を拾う
第8章 近世の兵学と『甲陽軍鑑』
著者等紹介
小和田哲男[オワダテツオ]
1944(昭和19)年静岡市生まれ。静岡大学教育学部教授。戦国時代史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Kouhei Higuchi
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タイトルを見て、甲陽軍鑑の内容から現代の経営等に役立つ知識を得ようと購入したが、サブタイトルの「武田軍団の強さの秘密」はわずかで、甲陽軍鑑が史実なのか脚色なのかの検証や過去の同様の検証の考察的な内容が大半であった。その内容であれば分かりやすくよい本ではあるが、タイトルとは違った。2022/02/27
ありうす
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『甲陽軍鑑』の巻末解説みたいな内容。というか、本文を欠く(長い)解説、とでもするのが適切な評かもしれない。歴史学者の手になる以上仕方ないのかもしれないが、甲陽軍鑑という書物を兵法書としてではなく歴史文書として解説している。つまり史実との関連ばかり論じられていて、思想面にはほとんど触れられていない。本書は歴史学徒のための入門書であり、歴史ファンや現代の軍師の為のものではない。面白そうな挿話がちょくちょく見受けられ、読んでいて甲陽軍鑑自体に興味をひかれるのにもったいない話である。2019/10/29