出版社内容情報
率直果敢が極意! 著者入魂の俳句入門書!
「季語にとらわれない」「生活実感を表す」「主観を吐露する」など、句作の心構えやテクニックを82項目にわたって紹介。俳壇を代表する金子兜太独自の俳句観がストレートに綴られた熱意あふれる入門書。
内容説明
生活実感をとらえて、具体的な情景をつかむ。景が“主観の芯”を伝えるようにする。季語は単なるルールとしてではなく、長い歴史を持った味わいのある言葉として大事にする―。著者独自の俳句観や作句法を述べ、多くの例を挙げながら、現代俳句の本質に迫る!「俳句のリズム」「切字」「写生」「喩えの使い方」といった、実作者なら誰もが参考になるコツも随所に掲載。率直果敢な兜太流俳句入門の決定版。
目次
1 俳句とは(季語にこだわらない;“生活実感”を表す;率直に“生活実感”を ほか)
2 作句法あれこれ(写生;描くこと・見ること;発見 ほか)
3 俳句誕生まで(俳句とは何か;唱和;問答 ほか)
著者等紹介
金子兜太[カネコトウタ]
1919年、埼玉県生まれ。俳人。朝日俳壇選者、現代俳句協会名誉会長を務める。日本藝術院会員。文化功労者。東京帝国大学経済学部卒業後、日本銀行に入行し、従軍を経て復職。1974年に定年退職後、俳句に専念。2010年、第51回毎日芸術賞特別賞と第58回菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
それまでの俳句入門が歳時記を買って季語を習い七五調で気の利いたことを詠みましょうという俳句入門書とは違い、季語はどうでもいい、「有季定形」は「約束」以上のものでもなく、「約束」は破られる為にある(そこまでは言ってないか)、「無季の句」も「自由律」ある。季語というのは長い歴史の中で磨かれてきた美意識で、特に短歌の王朝文化であるわけで、それより我々は「生活実感」重視で行きましょうというスタイルか。七五調も文語と口語の違いや古語と現代語の違いもあるから、俳句の短詩型としてのリズムは大事だけど縛られる必要もない。2019/04/24
Akito Yoshiue
3
とても勉強になった。2014/08/20
蕎麦
1
俳句を鑑賞できるようになりたいと思い手に取った。以前、金子兜太さんといとうせいこうの対談を読んだことがあり、語り口などが柔らかで庶民的で好感を持っていた。この本でもその印象は変わらず、深い日本語や和歌の知識に裏付けられた解説と、小学生の俳句なども引用するおおらかさが大変魅力的な一冊。短文で構成されており読みやすい、また読み返したい。2019/12/20
nana
1
俳句入門と銘打たれているけれども、著者がそこまで季語に拘らないところにびっくりした。俳句で主観をどのように表現するかということを解説していたところは特に興味深かった。末尾にある芭蕉と一茶についての講演が秀逸。自分は欠点のある人間に共感を覚えるタイプなので一茶派だな……。2013/06/19
とむ
0
俳句とは何か、俳句で大事にすべきことは何か、が分かりやすく解説されている。この本で学んだことで、また新たな気持ちで句を作っていきたい。2017/05/08