内容説明
日本人の祖先は、大陸や南方からの人々と交流し、混血を重ねやがて独自の特徴をもった民族ができあがった。外来の文物・文化を自らの文化として昇華させた日本人は、温暖な気候と肥沃な国土の中で平和に過ごしてきた。この「日本人」はどのようなメンタリティをもち、何にアイデンティティを感じる民族なのであろうか。地理的状況、国家観、宗教観などから古きよき日本人像を探り、日本人のアイデンティティを照らし出す一冊。
目次
第1章 日本人の生い立ち(日本民族のルーツ;汐留まりの文化に生きた日本人 ほか)
第2章 古き良き日本人(ムラ社会(共同体)と日本人
ムラは年功序列型社会だった! ほか)
第3章 日本的信仰―日本人特有の宗教心(仏教に帰依した神々―神仏習合の発端;日本の神はもともとインドの仏・菩薩だった!? ほか)
第4章 日本人の宗教意識の変遷(宗教に寛容な日本人;自然崇拝―神道の基本 ほか)
第5章 アイデンティティを感じるとき(日本人の心の故郷―縁日;秘仏―見えざるものに対する信仰 ほか)
著者等紹介
瓜生中[ウリュウナカ]
1954年東京生まれ。早稲田大学大学院修了。東洋哲学専攻。仏教・インド関係の研究、執筆を行い現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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月讀命
58
日本人である事を再認識したくてこの本を手に取った。嘗て日本人は、中国大陸や南方の人々と交流し混血を重ねながら、やがて独自の特色をもった日本人ができあがった。外来の異文化を取り入れながら、自らの文化として昇華させ新しい独自の文化を築き上げてきた。私たちは、どの様なメンタリティをもち、アイデンティティを有する民族なのかを、地理的状況、国家観、宗教観などから日本人を深く探究する。昨今、近隣バカ諸国から日本人を揶揄する傾向がある。私たちは、日本に生まれてきた事に誇りを持ち、日本人として胸を張って生きてゆきたい。 2015/03/22
白義
15
まあ真面目に読む本ではないですね。いろんな宗教入門書を出している著者がそれらの入門書から更に上澄みの雑学を集めてそれを著者の考える日本人らしさにこじつけるというまあよくある日本人論でその内容にも新鮮味があまりにもないが、著者がかなり温厚な人っぽく不快感はなく読みやすいのでまあこれくらいなら読んで損した感じはないなと思える、そういう「よくある本」である。この手の著者には珍しく国家神道とかが大嫌いでわざわざ国家神道批判に力を入れているのはまあ珍しいかな……というくらい。宗教に寛容云々のよくある話を読みたいなら2019/01/31
ふくとみん
8
今もひそかに日本人について考察している人がいてよかった。一昔前に盛んだったテーマのような気がしていたが、第三章日本的信仰など納得する内容だった。2024/02/13
おみか
3
う〜ん。うすぼんやりして、曖昧なのが日本人のアイデンティティってことか・・・いや、違うのか?!鎮守の杜。知らない土地に行ってもここだなと分るように大きな木々が密集してうわっているのはそういう訳だったのか〜と分かってよかったかな。あと、仏様や神様にお備えするご飯がてんこもりな理由も。2011/11/09
はる
2
短い作品なので、こういう知識に乏しい私にも取っ付きやすかったです。2011/09/30