出版社内容情報
熱い湯の銭湯でのやせ我慢、盛り上がる初物の売りだし日、贈答品のリサイクル――。現在の東京へとつながる江戸人の暮らしとその性格を明らかにし、いまも息づく「江戸の精神」を説き起こす江戸庶民史。
内容説明
世界にも稀な巨大都市・江戸。事件や人物・生活・風俗・経済事情を通して、江戸らしさとその性格を見つめれば、現代の大都市・東京の原型がくっきりと浮かび上がってくる。熱い銭湯でのやせ我慢、盛り上がる初物の売りだし日、贈答品のリサイクル―。市井のさまざまな噂話をはじめとする豊富な史料を使いながら、江戸っ子の暮らしとその性格を明らかにする。いまも息づく「江戸の精神」を説き起こす、江戸庶民史の決定版。
目次
1 町の風景(天下の江戸;江戸十二景 ほか)
2 江戸っ子の町(産湯と水道;大酒、大食の記録 ほか)
3 消費都市の経済と商業(みんな飲んじゃう;九六銭勘定 ほか)
4 武士の生活(将軍の威信と権兵衛;誰がために腹は切る ほか)
5 武士は食わねど(経済の発展と武士の頽廃;不良幕臣列伝 ほか)
6 大江戸事件簿(鼠小僧にささぐ;溺れ死んだ御金蔵破り ほか)
著者等紹介
北原進[キタハラススム]
1934年東京生まれ。立正大学教授、江戸東京博物館都市歴史研究室長などを歴任し、現在立正大学名誉教授。専門は近世民衆史。地方史研究協議会委員、東京都下の文化財保護委員などを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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楽駿
20
品川図書館本。こういう本は、相当楽しい。江戸時代の市井の人々の暮らしが、実際どうであったか、実証を交えながらも、解り易く解説。江戸ものに出てくる長屋の作りや、実刑にあたってしまう出来事と、そのいきさつまで。ちょうど今日、ガイド協会の先輩に案内されて、大伝馬町の牢屋や、処刑場跡も見てきた。本の中と、リアルな再現模型との比較も楽しかった。江戸に多くの人が集まりながら、その大部分は武家のお屋敷。庶民の人口密度は、今の比ではない。良きにつけ、悪しきにつけ、隣近所のつきあいが大事だったと思われる。お薦めです。2025/02/21
ともとも
5
多くの現存している史料から、江戸の街は多くの人が住んでいて、多くの出来事がある、まさに江戸の街、歴史、文化は暮らす人たちによって作られたと言っても過言ではないと感じながらも、時代小説や時代劇で見る江戸であったり、時にそうでない事実もあったり、研究書としても、、或いは知識を蓄える為、そして江戸が大好きで読んだ、これから江戸時代を勉強したいビギナーの人まで江戸時代の街と人々の暮らしぶりを楽しみながら体感でき、ますます江戸時代の魅力に引き込まれる一冊で本当に良かったです。2014/10/16
果てなき冒険たまこ
2
江戸に関する細かい知識を短文で積み重ねて作られた本。豆知識なのかどうかはよくわからないけどとても面白い。江戸っ子は酒好きだったとか切腹のあれこれとかページをめくる手が止まらなくなるほどの面白さ。説明書きに曰く「事件や人物・生活・風俗・経済事情を通して江戸らしさとその性格を見つめれば現代の都市・東京の原型がくっきりと浮かび上がってくる」だそうだが、いかに今の日本人と変わってしまったかもよくわかる。武士と庶民の断絶も今では考えられないね。2022/10/25
泥酔
0
結論アリで書かれた典型的な近年の江戸本。 江戸時代って長いんだぜ?2014/03/11
tecchan
0
江戸の事件や人物・生活・風俗・経済事情などを通して江戸時代を描く。古文書などから具体的な事象をとらえており、庶民や武士の生活が手に取るように描かれる。2022/02/16
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