内容説明
上方では「すい」、江戸では「いき」とよび、江戸人が理想とした大人ぶりの「粋」。金さばきがよく、「ほど」を心得、こざっぱりと身ぎれいにし、始末の美学をもち、見栄を張ってでも通人であろうとした江戸っ子。信心、旅、おしゃれ、遊びなどに通底する「粋」の心根に触れながら、現代では忘れられた、処世の法としての「粋」を学ぶ。宵越しの金はもたず、いなせで気っ風がいい、野暮は言いっこなしの大人になるための1冊。
目次
第1章 趣味は「読み書き」―いい残しの試み
第2章 大人の「修学旅行」―出会いを楽しもう
第3章 性の「粋あそび」―江戸っ子の見栄
第4章 「心づけ」の心得―器量、鷹揚、洒脱
第5章 若者への「ひとこと」―ほめ上手・おだて上手
第6章 「こぎれい」なおしゃれ―たしなみと工夫
第7章 「始末」の美学―何事もほどほどに
第8章 「義兄弟」のすすめ―人恋しさと連帯
第9章 「信心」のニッポン教―「ぬくもり」のようなもの
第10章 老いも死も「迎えるもの」―一日一日をいかに生きたか
著者等紹介
神崎宣武[カンザキノリタケ]
1944年生まれ。民俗学者。旅の文化研究所所長、岡山県宇佐八幡神社宮司(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たち
32
江戸時代は成熟した「おとな」の時代だったのですね。今よりも物事が良く考えられていたのだなぁ。それと、子供が大人になっていく過程がシステム化していて羨ましい。今の子供はいくつになっても大人になり切れなくて大変だなと、思いました。2023/03/17
nyanlay
4
最初の方は江戸の『粋』と現代との比較がなされていたのだけど、途中から『粋』から離れてきたように思えました。ちょっと期待していた内容とは違ったかな。2018/03/15
ぴのぴのこ
0
日本の宗教について話をしようとした時にどこから手をつけていいのか、何を話せばいいのか迷う。伊勢参り、月参り、寺社仏閣のHPを見てもイベントがかなり多い。日本人は信心深いのか、エンタメが少ない中でも日常を楽しむ手段の中にお参りや宗教との関わりがあった。何を祀っているか実は知らなくても、お参りすることで切り替えたり癒しにしたり、宗教がメイントピックではないが一つの解を得た。徒歩を基本とする旅の楽しみ方、隠居後の社会との関わり、死生観、また生まれ変われるから怖くない。江戸を通して人生について考えなおせる。2024/07/25
M K
0
大変面白かった。 また再読したい。2021/02/28