内容説明
第二次世界大戦末期、米軍を恐怖の底に陥れた必死必殺の特攻兵器「回天」。大空を夢見ながら人間魚雷の搭乗員に志願した17歳から27歳の予科練生たちを突き動かしていたものは何か。彼らが命にかえて後世へ託した思いとは―。「国のためというより、むしろこの可憐な子供たちのために死のう」。回天創案者・黒木少佐や搭乗員の手紙と遺書、元搭乗員と遺族らの証言から、若き特攻隊員たちの真実の意志に迫るノンフィクション。
目次
第1章 志願
第2章 命を賭して
第3章 カウントダウン
第4章 自己犠牲
第5章 回天の母
第6章 終わらぬ戦争
著者等紹介
宮本雅史[ミヤモトマサフミ]
1953年和歌山県生まれ。慶應義塾大学法学部卒業後、産経新聞社入社。90年、米国・ハーバード大学国際問題研究所に留学。93年、ゼネコン汚職事件のスクープで新聞協会賞を受賞。その後、書籍編集者、ジャーナリストを経て現在、産経新聞那覇支局長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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馨
5
泣きました。回天特攻隊員の気合いがすごすぎます。死ぬ覚悟はいつでも出来ている、死の新兵器と言われようが物おじせず志願していく隊員たち。数々の遺書や日記に見られる家族や国を思う気持ち、未来の日本人にも同じような精神を持ってほしいと願い突入していった彼らが願った将来の日本人に自分が全くと言って言い程ほど遠い人間であることを恥じます。2014/05/23
ジョバンニ
4
航空特攻隊とは違った上下関係や、回天搭乗者は純然たる募集で決まったという事実は、大変興味深かった。また、回天創案者の黒木少佐の手紙に綴られらた国への想いには衝撃を受けました。これをどう捉えればいいのか複雑な部分もあるのですが、憂国の士として散華した彼らには感謝の気持ちを抱かずにはいられませんでした。2015/07/26
makiru
1
まだ10代、20代の若者が家族や国を守るため、自ら特攻に志願する。自分の命で国を守り、未来の日本の子供たちが幸せに暮らせるならと特攻という手段を選んだ人たちがいて、そのうえに今の自分たちがいると思うと、涙が溢れてきました。こういった人たちに感謝して日々過ごして生きたいです。2014/07/08
めっちー
1
回天に乗り込んだ人達みんなが、志願したという事実に驚いたが、いくつもの葛藤を経て、出征前にはいつもと同じように、明るく振る舞い、平常心で仕事をしていた彼らは悟りの境地に達していたと思う。私たちから見ると命を散らしていくのは、「気の毒」「犬死だ」と思うが、本人たちや周りの人々は悲観的に考えず、むしろ「うらやましい」と考える人たちがいたと言い、当時の目線でないと分からないこともある。彼らが命を懸けてまで、守ろうとした日本を私たちも守り続けなければならない。2012/03/12
チコ
0
8月に読みました。特攻に対して持っていた感じ方が変わった。読んで本当に良かったと思う。