出版社内容情報
漫画家、作家、デザイナー、主婦……。主宰・沢田のもとに集まった傑作怪作駄作の短歌群を人気歌人の穂村と東が、愛ある言葉でバッサリ斬る! 読んだその日から短歌が詠みたくなる、笑って泣ける短歌塾!
内容説明
「休んだ月曜のトマトジュースがきらいここにいない君もきらい」「クソミソにリングで言われヒールとはロックのリズム怒りの鼓動」―漫画家、主婦、プロレスラーなど、シロウトの傑作&怪作短歌群に気鋭の歌人・穂村弘と東直子が愛をもって厳しくコメント。短歌は大切な思いを人とシェアする道具、短歌はこの世界とつながるきっかけ。そんな短歌のおもしろさと人懐こさが、読むだけで味わえる。敷居の低い短歌入門書。
目次
きらきら
草
人名を入れ込んで詠む
人類史上最大の発明とは何か
ママン
くりひろいを折り句で
著者等紹介
穂村弘[ホムラヒロシ]
1962年、北海道生まれ。歌人。「かばん」所属
東直子[ヒガシナオコ]
1963年、広島県生まれ。歌人、作家。「かばん」所属。96年に「草かんむりの訪問者」で、第7回歌壇賞を受賞する
沢田康彦[サワダヤスヒコ]
1957年、滋賀県生まれ。書籍・雑誌編集者。メール短歌会「猫又」主宰。マガジンハウスにて『ブルータス』『ターザン』の編集、書籍部編集長を経て、2010年独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
158
『猫又』に投稿されたアマチュアの題詠短歌集。入選歌が紹介され、穂村弘、東直子、沢田康彦の3人が合評会風に講評するという趣向。穂村、東の両歌人はさすがにプロなのだが、塚本邦雄や寺山修司といった超弩級の歌人ではなく、アマチュアにも手が届きそうな気がする(実は届かないのだが)といったタイプなのがミソだ。題詠の中では「くりひろいを折り句で」が一番面白い。なぜなら、折り句にするために、日頃はしないだろう飛躍を試みるからである。編中にはプロ歌人の歌もいくつか引用されているが、小池光の「佐野朋子…」の解釈などは疑問。2014/08/18
佐島楓
64
さらっと読んだ。穂村さん、東さんによる解釈が面白い。穂村さんはシステマティック、東さんは良い意味で女性的(私も女性ですし、これ以外の表現が見つからない)。そしてご両人とも当然ながら感性フル稼働。もうこの活動は閉じてしまっているんでしょうか、うちのファックス稼働させたいのですが。2019/03/29
ゆにこ
41
「きらきら」のお題で「きらきら光る」や「きらきら輝く」って詠んじゃうとつまらない。どの短歌も発想が凄い。2014/05/19
紅香
32
短歌は奥深い。作る側も読む側も。心象風景と完璧な読みがあれば、もっと言葉に深みが増す。歌人達の会話にむむっーと唸ってばかり。感性が全く手の届かない領域。でも心地良い会話。いつまでも聞いていたくなった。例えば“草”のお題。東さん→草って話を吸収する感じ。初恋の苦さも通じる。ねむさん→草って知らない間にすごく伸びる。口がないのに風の日にはザワザワ騒ぐ…草は怖い。もののイメージって考えたことなかった。これを機に言の葉を茂らせたい。短歌を作れるようになりたい。短歌は言葉の将棋みたい。ほむほむの目線。すごい。2013/07/25
ポテチ
27
探していた居場所を見つけた感覚で短歌に出会った者には、この穂村さんのつけたタイトルがいかに突き刺すものか。と思いなが読み干すも、このシリーズ一番ほむほむの素が出ていると思う。「僕がこれ解説するのであれば五千円ちょうだい」とか。こ憎たらしくて、かわいくて。虜。2019/12/11