角川文庫 角川ソフィア文庫 宇宙入門―１３８億年を読む

池内 了【著】

ＫＡＤＯＫＡＷＡ（2015/03発売）

• サイズ 文庫判／ページ数 288p／高さ 15cm
• 商品コード 9784044052225
• NDC分類 440.4
• Cコード C0144

出版社内容情報

シャボン玉や潮の干満、キリンの斑模様など、身近な自然の不思議から壮大な宇宙のしくみが見えてくる。ビッグバンからエントロピーの法則まで、宇宙物理学を楽しむための案内。『宇宙は卵から生まれた』を改題。

【著者紹介】
1944年、兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了。総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授。『泡宇宙論』『物理学と神』『疑似科学入門』など著書多数。

内容説明

無限に広がる宇宙を支配しているのは、私たちが日ごろ親しんでいる自然の仕組みにほかならない。卵が割れてすべてがはじまる「ビッグバン」、ブーメランを回転させる「ベルヌーイの定理」、一滴のインクが水に広がる「エントロピーの法則」、複雑なキリンの斑模様を描き出す「チューリングモデル」など、日常の自然観察から、壮大な宇宙の姿がぐんと身近にみえてくる。数式や難しい専門用語は一切なし、楽しむための“読む”宇宙入門。

目次

１　宇宙を引き寄せることば（ビッグバン―宇宙は卵から生まれた；インフレーション宇宙―宇宙の急成長；膨張宇宙―コウモリの技で宇宙を見れば；バブル宇宙―宇宙はシャボン玉遊びの真っ最中；渦巻銀河―銀河が紡ぐ虎眼文様；フィードバッグ―悪循環が世界を造る；潮汐力―月が奏でるメロディー；望遠鏡―鳥の目と虫の目）
２　宇宙を語る文法（エントロピーの法則―宇宙は熱死するか？；エネルギー保存則―姿変われど中味は同じ；運動量保存則―大男に小男がぶつかると；ベルヌーイの定理―イカロスの夢と野球の変化球；遠心力―回ると離れる；コリオリ力―自転の悪戯；フラクタル―自然はマンダラ紋様；チューリングモデル―キリンの斑模様を作る）

著者等紹介

池内了［イケウチサトル］
１９４４年、兵庫県生まれ。６７年、京都大学理学部物理学科卒業、７２年、同大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。国立天文台教授、名古屋大学大学院教授、総合研究大学院大学教授などを経て、総合研究大学院大学名誉教授、名古屋大学名誉教授（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[あるこ]

物理学を一切学んだことのない私には難しい部分も多々あったけれど、身近な現象を用いた説明があったので読み易かった。これからは宇宙関連のニュースをもっと興味を持って見られると思う。

2016/11/06

[BIN]

同著者の「宇宙は卵から生まれた」の改訂版らしいのでちょっと注意。序盤は宇宙論等でビッグバンやインフレーション理論の必要性、渦巻銀河が渦巻いている理由などがわかりやすく書かれていて、この辺りは全く勉強したことなかったので為になった。後半はほぼ物理学（コリオリ力とかベルヌーイの定理）など宇宙に絡むんだろうけど普通の物理学の内容になってしまっている。ポーの「メイルシュトロームの渦」からの脱出をコリオリ力を利用して脱出するにはとか宇宙ではないけど面白かった。

2016/11/18

[Teruhisa Fukumoto]

エントロピーやビッグバン理論などを分かりやすく解説。可能な限り数式などを用いない説明をされている。ただ、後半はやや難しくなり、読むのが大変。

2017/07/04

[あんさん]

多分、本質的なところは理解できてないんだろうけれど、読んでいて楽しかった。

2015/05/09

[やす]

宇宙に関する数式をほとんど使わないけど、ロジックはとことん抑えている本。インフレーション、ビッグバン、星の形成から終焉、銀河分布と現代的な宇宙論の概要は説明されている。また、その手法として保存則、エントロピー増大の法則、見かけの力、カオスとフラクタルなどなどの原理的な説明も数式抜きで本質を語ってくれる。まさにお得な書だと思う。旧版のアップデートで内容もキャッチアップされている。さて、チューリングパターンってのがでてきてようはキリンやトラの模様がなんでできたかって話だが、こんなところにもチューリングか偉大だ

2015/04/27