内容説明
江戸神田の町名主斎藤幸雄、幸孝、幸成の親子三代、三十余年の歳月を費して完成した武蔵名所図会ともいうべき好著。ほろびゆく大江戸の市民生活の面影が、長谷川雪旦父子の情緒豊かな挿絵入りで楽しく伝えられる。
感想・レビュー
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うえ
2
「明王山宝仙寺(中野区宮前町)馴象の枯骨 享保十三年戌申、交趾国より鄭大威なる者、広南に産る所の大象牝牡の二頭を率ゐ来つて、本邦に貢献す…同十九日上陸す。象奴二人、曰く、潭籔、潭綿。…その後中野に象厩を建ててこれを飼はせられたりし…牡象(七歳)総身灰色にして頭の長さ二尺七寸…食する時も鼻を以つて卷き入る…足の形は円柱の如くにして指なく、爪は五枚ありて栗の形に似たりといふ。惣身ふくよかに擁腫すれども、峻嶺にのぼり羊腸を下るに、雷の如く、深き水を渉る事跿く、その性能く人に馴れてその意を解す」2015/04/28