角川ソフィア文庫<br> 敗者たちの平安王朝―皇位継承の闇

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角川ソフィア文庫
敗者たちの平安王朝―皇位継承の闇

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  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044007911
  • NDC分類 210.36
  • Cコード C0121

出版社内容情報

皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇――。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。

内容説明

皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇―。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。

目次

序章 武烈天皇の暴虐と新王朝
第1章 平城天皇と「薬子の変」(平城天皇の治世と「薬子の変」の実態;嵯峨皇統の確立と平安定都)
第2章 陽成天皇の行状説話(陽成天皇の人物像と退位;陽成天皇の行状説話;光孝・宇多皇統の確立と初期摂関政治の確立)
第3章 冷泉天皇の「狂気」説話(冷泉天皇の人物像と退位;冷泉天皇の「狂気」説話;両統迭立と後期摂関政治の開始)
第4章 花山天皇の「狂気」説話(花山天皇の人物像と退位;花山天皇の「狂気」説話;花山天皇の修行譚;円融皇統と摂関家の確立)

著者等紹介

倉本一宏[クラモトカズヒロ]
1958年、三重県生まれ。東京大学文学部国史学専修課程卒業、同大学大学院人文科学研究科国史学専門課程博士課程単位修得退学。博士。国際日本文化研究センター教授。専門は日本古代政治史、古記録学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チャリー・コグコグ

19
天皇個人の資質よりも、外戚の存在が権力を左右する摂関政治の本質。皇統の交替という事実が影響。何故この様な説話が作られたのかという視点を忘れてはならない。歴史は勝ち残った者にとって都合よく作られる。この時代においては摂関家藤原道長が勝者。狂気の天皇だったから皇統を嗣ぐ事ができなかったのではなく、皇統を嗣ぐ事ができなかったから狂気の天皇とされた。精神的に不安定なところはあったかもしれないが断定には疑問。著者が令和6年大河ドラマ「光る君へ」の歴史考証担当だったことをあとがきで知る。興味深く読了。2024/02/05

kenitirokikuti

13
著者は御堂関白日記や権記の全現代語訳があるひと。2024年度のNHK大河ドラマ『光る君』にも関わっており、本書は花山天皇の記述を加筆して文庫化したもの(原著は2014年刊行)▲「おわりに」から。六国史と万葉集・竹取物語・伊勢物語のように、勝者が歴史を作り、敗者が文学を残してきたが、平安後期末期には勝者に連なるものが文学を成すようになった。それにも関わるが、本朝の「説話文芸」は口承ではなく、特定の原史料を持つ書承であった。古記録を元に筆写するのは貴族層であり、それらの意図により潤色される。2024/05/22

Melody_Nelson

7
「光る君」で、皇太子時代の花山天皇の振る舞いが特徴的に描かれていたが、実際のところどうだったの?と思い、本書を手に取る。花山の他に、平城、陽成、冷泉と、「精神的に異常」とされた天皇について、文献を元に探る。恣意的に書かれた「説話」や「物語」よりも、「小右記」に代表される貴族の日記の方が信憑性が高い。10代で即位し、2~3年後には退位させられ、その後の人生が長いのだが、彼らの心持はいかがだったのか。2024/12/11

遊未

6
勝者が歴史を作る、は中国を思ってしまうけど、日本も同じこと。歴代の中で平城、て陽成、冷泉、花山について。特に冷泉、花山については遺伝的な狂気とも語られてきました。しかし、これらの天皇は子どもで即位、権力者の都合で譲位。であるなら、後世に譲位を納得させるため悪い説話を作ったという内容です。但し花山については出家後の修行や聖人説話も多くあります。長生きだったからでしょうか?2024/08/03

ワタシ空想生命体

5
"軽々に冷泉と花山との「遺伝的狂気」を云々するのは、それこそ後一条天皇の即位の正統性と道長家の栄華の正当性を主張する『大鏡』的歴史観の陥穽に落ち込んでしまっていると言わねばならないであろう。"2024/05/29

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