出版社内容情報
古来、日本文学は詩歌を中心に展開してきた。「万葉集」から始まり、「古今和歌集」「新古今和歌集」に注がれた情熱、中世の和歌と歌謡、江戸の連歌遊びと俳句――それらが近現代の散文にまで及ぼした影響に目くばせをしながら、詩人・大岡信が次世代のために語り継ぐ日本文学史。「文学史とはその言語への、無限定で深い愛着を、文学作品というある種の限定のもとにあるものを通じて、なんとか披瀝してみせるものだ」(「あとがき」より)。
内容説明
「日本の詩歌はさみしい主題を歌っているように見えるけれど、実は享楽的だと思います」。古より日本の文学は歌を中心に栄えた。表舞台たる政治の裏側で、万葉集や古今和歌集、閑吟集や梁塵秘抄は、自然を愛で、恋心を歌うことを楽しんできた。やがて民衆へも広まった歌は、芭蕉や蕪村、子規らのもとで大衆芸術としての地位を獲得してゆく。日本のことばの真の姿を歌と詩に探りつづけた詩人が、次世代のために語り伝えた日本文学史。
目次
1 政治の敗者はアンソロジーに生きる―「万葉集」
2 平安文化の表と裏―「古今和歌集」
3 詩歌の歴史は編纂者の歴史―「古今和歌六帖」
4 奇想の天才源順―「伊勢物語」と「大和物語」
5 女たちの中世―建礼門院右京大夫と後深草院二条
6 男たちの中世―俊成/西行/定家
7 歌謡の本質的な面白さ―「梁塵秘抄」
8 風俗の万華鏡―「閑吟集」から「唱歌」「童謡」まで
9 良基も芭蕉もパスも―連歌/連句/レンガ
10 「写生」は近代文学のかなめ―子規の道・紅葉の道
著者等紹介
大岡信[オオオカマコト]
1931年生まれ。詩人、評論家。東京藝術大学名誉教授。日本ペンクラブ元会長。1997年文化功労者、2003年文化勲章受章。2017年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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