出版社内容情報
「ビギナーズ・クラシックス 中国の古典」、日本人にも馴染み深い、中国明代の小説を刊行開始!
明代中国で作られた『水滸伝』は「四大奇書」の筆頭とされ、江戸時代以降の日本文学にも多大な影響を与えた。108人の好漢が暴れまくり、腐敗した権力を打倒していく物語は、時代を超えて愛され続けている。全ての回のあらすじを収録し、原文の喋り言葉を活かした現代語訳と行き届いた解説によって、長大な物語の面白さと奥深さを一挙に愉しめる。魅力ある登場人物たちはどこから来たのか、物語の背景に迫るコラムも充実。
内容説明
明代中国で作られた『水滸伝』は「四大奇書」の筆頭とされ、江戸時代以降の日本の文学にも多大な影響を与えた。108人の好漢たちが暴れまくり、腐敗した権力を打倒していく物語は、時代を超えて愛され続けている。全百回のあらすじと、原文の講釈師口調を活かした現代語訳、行き届いた解説によって、長大な物語の面白さと奥深さが、一挙に愉しめる。魅力ある人物造型はいかにして生まれたのか、成立の背景に迫るコラムも充実。
著者等紹介
小松謙[コマツケン]
1959年、兵庫県生まれ。京都府立大学教授。専門は中国文学。京都大学大学院博士後期課程中退。文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さとうしん
14
同シリーズの従来作とは異なり原文に当たるものが現代語訳だけというのは体裁上さすがに無理があるが、水滸伝研究の第一人者によるコラムがその不備を補って余りある。コラムでは版本上の問題を解説するほか、『大宋宣和遺事』や元雑劇など先行する水滸伝物語群に基づいて作中の矛盾などを読み解き、より深い読、時には現代的視点からの読みを提示するなど、読み応えがある。コラムのためだけに本書を読む価値がある。ビギナーだけでなく年季の入った水滸伝マニアにもお薦め。2023/12/28
fseigojp
5
三国志が大義の世界なら、水滸伝は任侠の世界2025/04/02
ikedama99
4
寝床で読む本。横山光輝さんの漫画で全巻を読んでいるが、小説としては通して読んだことはなかった(子供向けは読んだが)ので、この本のようにあらすじでも追えると、その世界の面白さを感じた。自分が知っているのは、120回版のようだ。岩波文庫の全集を読んで見たい。2024/08/20
河イルカ
3
図書館本 原作のエッセンスを上手い具合に抽出する、安心と信頼のビギナーズクラシック。 ストーリーを追いかけるのに忙しくて原文の紹介はかなり少なめだが、好漢たちの暴れっぷりが感じられる。 社会理念の枠に限らず、物語進行の枠からもはみ出しちゃってるのも御愛嬌。 どこからともなく、特攻野郎Aチームのナレーションが流れてくる。2025/01/15
みじんこ
3
最初の成立事情や諸本についての話も勉強になった。全ての回についてしっかり要約・一部原文訳がなされている。武松、李逵の活躍は特に印象に残ったが、百八星もいるためこの人は以前どこで出てきたのだったかと思うことも多々。三国志演義は知っているのでそちらと関連する人物もいて面白い。なぜ宋江がリーダーとして慕われるのか、攻めてきて捕えられすぐ投降するのは節操がないのではといった読んでいく中で生じる疑問にも充実したコラム等含めて答えているのもよい。「江湖の世界」における仲間意識は独特であった。終盤の展開は寂しさもある。2024/01/04