出版社内容情報
聖徳太子による日本最初の経典注釈書「三経義流」で知られる「維摩経」「勝鬘経」。徹底した在家主義が説かれ、日本仏教の出発点となった。分かりやすい口語訳と豊富なコラムで読み解く、画期的な入門書!
内容説明
聖徳太子による日本最初の経典注釈書「三経義疏」で知られる維摩経と勝鬘経。出家修行者に対する在家信徒の優位が徹底して説かれ、日本の仏教の出発点となった。まさにここから仏の教えは日々の暮らしに浸透し、日本は世界で唯一といえる在家仏教の国となったのである―。二経典の全文および「三経義疏」の抜粋を読み下し文とわかりやすい口語訳で収録。また経典が与えた影響を多彩なコラムで紹介。文庫オリジナルの本格入門!
目次
第1部 維摩経―維摩詰所説経(釈迦如来の国のこと―仏国品第一;人々をさとりに近づけるために―方便品第二;弟子と菩薩らの慚愧1―弟子品第三;弟子と菩薩らの慚愧2―菩薩品第四 ほか)
第2部 勝鬘経―勝鬘師子吼一乗大方便方広経(ある王妃のこと―如来真実義功徳章第一;王妃の十項目の誓い―十受章第二;三つの誓願―三大願章第三;大乗の菩薩道―摂受正法章第四 ほか)
著者等紹介
大角修[オオカドオサム]
1949年、兵庫県生まれ。東北大学文学部宗教学科卒業。宗教研究家、有限会社「地人館」代表。仏教書を中心に幅広く編集・執筆活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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記憶喪失した男
12
超訳でしか知らなかった「維摩経」を現代語訳で読んだ。鳩摩羅什訳の漢訳仏典からの現代語訳。名訳だった。前半はなかなか笑える経典だ。「勝鬘経」は、王妃シュリマーラーによる仏説の説明だ。2022/10/11
SOLVEIG
2
《読書のための読書》第四弾了。『法華経』『浄土三部経』までではないながら、なんとかお話として読み終えられた感じ。お経って結構物語になってるなんて知らなかったので、このシリーズ(?)で色々読めて好かった――キッカケは《100分de名著・法華経》だったんだけど。 今回改めて感じたのは言葉について。日頃普通に使ってる言葉でもその意味が違っていたりするのにかなり戸惑うので要注意と。他にも、ちゃんと理解するにはお経ならではの表現に慣れなきゃいけないなとも。でもやっぱり物語として読む経典はSFファンタジーだと思う。2023/09/05
鬱僧
0
本当に大角さん現代語訳は毎度編集が秀逸で、コラムの配置と内容にもほれぼれします。両書とも在家信者の優越を誉れとしてるだけあって、世俗感との地続きを強く意識してて、大乗入門としてふさわしく、三経義疏として採用したのもむべかるなか、という印象でした。2023/10/21