内容説明
原始仏教に始まり、大乗仏教を経て、日本の仏教へ。死者・他者との関わりから、即身成仏、宗教国家、さらにキリスト教からの視点までも考える。「空」とは何か、大乗仏教はいかに誕生したのか、そして日本仏教の変化とは―。『法華経』『般若心経』『教行信証』『正法眼蔵』などを、仏教学の第一人者が従来の研究や通説にとらわれず読み解く、スリリングな試み。「仏典をよむ視座」として近年の研究成果を加えた。
目次
第1部 死からはじまる仏教(大いなる死―『遊行経』;死と生の協奏―『無量寿経』;他者と関わり続ける―『法華経』;否定のパワー―『般若心経』;心の中の地獄と仏―智〓『摩訶止観』;禅の中の他者と死者―圜悟『碧巌録』)
第2部 日本化する仏教(現世を超えた秩序―景戒『日本霊異記』;仏教は俗世に何をなしうるのか―最澄『山家学生式』;この身のままに仏となる―空海『即身成仏義』;贈与する他者―親鸞『教行信証』;脱構築から再構築へ―道元『正法眼蔵』;宗教国家は可能か―日蓮『立正安国論』;異教から見た仏教―ハビアン『妙貞問答』)
著者等紹介
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は仏教学・日本思想史。仏教を含めた日本思想史・宗教史の研究とともに、広く哲学・倫理学の文脈のなかで、現代に生きる思想としてそのあり方を模索。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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イプシロン
鹿野苑