内容説明
古事記に登場する多くの神々は、それぞれどのような存在で、神話の中でどう位置づけられているのだろう?「アマテラスはもともと2つの別の神話が統合して生まれた」、「日本書紀には描かれなかった、ヤマトに介入される出雲の“奪われる側”の無念」―。通説を疑い、神話をていねいに読み解けば、今まで見えなかった古代日本の姿が立ち現れる!巻末には、神名を手軽に確認できる「古事記神名辞典」を全文書き下ろしで収載。
目次
第1章 謎の太陽神
第2章 造化の神
第3章 産み、作る神
第4章 翡翠の川の女神
第5章 出雲神話の神
第6章 ヤマト三輪山の神
第7章 海の神、山の神
古事記神名辞典
著者等紹介
三浦佑之[ミウラスケユキ]
1946年、三重県生まれ。成城大学文芸学部卒業。同大学院博士課程単位取得退学。共立女子短期大学教授、千葉大学教授、立正大学教授などを歴任。千葉大学名誉教授。専攻は古代文学、伝承文学研究。著訳書に『村落伝承論』(五柳叢書、第5回上代文学会賞)、『口語訳 古事記(完全版)』(文藝春秋、第1回角川財団学芸賞)、『古事記を読みなおす』(ちくま新書、第1回古代歴史文化みやざき賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やいっち
79
内容案内(古事記には「なぜ出雲神話は詳細に書かれたのか? なぜヤマトタケルは悲劇の英雄なのか? 古事記には「滅びゆく者を見守る」思いがある。そこに記された敗者たちの記録とは。」)にもあるように、「古事記」の「日本書紀」との大きな違いは、出雲神話が詳細に書かれていること(逆に言うと、日本書記からは出雲神話は削除された)。2022/12/31
やいっち
49
仕事の合間に楽しみとして読んできたのだが、内容の濃さからして自宅で読むべきだったと反省。 2020/09/21
とし
5
やっぱり神話の蘊蓄は好き♪ ま、こちらに反論する程の知識がないから…へーそうなんですね〜と鵜呑みにするだけですがw 人それぞれ色んな読み解き方があって面白いです。
Juichi Oda
4
わが家の近くには沢山の神様がいらっしゃる。土着の神様をはじめ、土地柄から諏訪の神様の系譜につながる神様も多く、そんな神様のことを改めて知りたいと、この本に手を伸ばしたんですが、驚きがいっぱい。何より「記紀」と一括りに語られる古事記と日本書紀ですが、出雲神話は古事記にしか書かれていません!そんな基本的なことすら私は知りませんでした。また諏訪の神さまタケミナカタのこと、アマテラスの二面性、海幸彦・山幸彦のこと、びっくりだらけです。ただ筆者は、そんなことより〝語り体〟としての古事記の魅力を伝えたいみたいです。2021/12/08
早田 隆嶺
3
日本神話の古層に興味がある方におすすめ2021/04/26