内容説明
今なお、陰に陽に存在感を発揮し続ける企業集団・財閥。類まれなる勢力を誇る一方で、その背景には、黎明期の資金調達をめぐる苦闘やオーナー一家と経営陣の軋轢、時の政府・諸外国との丁々発止など、現代のビジネスにも通ずる奮闘があった。「家業」から出発して多角化を進め、独自の組織を作り上げた「日本型企業の源流」は、激動の近現代をどのように歩んできたのか。知られざる軌跡に、日本経済史の権威が鋭く迫る。
目次
幕末維新の危機―富豪たちの明治維新
政商の誕生―政府が生むビジネス・チャンス
政商の資金源―事業と資金の出会い
政商からの脱皮―多角化への挑戦
家政改革と家憲―総有制の知恵
コンツェルン化と持株会社―巨大化する組織の整備
専門経営者の登場―現場の知恵と現場の管理
商社ブームと破綻―「大正バブル」のバランスシート
鈴木商店の挫折―借入依存と組織改革の欠如
三大財閥の覇権―持株会社支配のネットワーク
恐慌とドル買い―財閥批判の背景
財閥の転向―改革のポーズと内部資本市場
戦時態勢と財閥―優先された出資者利害
財閥解体―追求された戦争責任
企業集団と財閥―三等重役と株式持合い
著者等紹介
武田晴人[タケダハルヒト]
1949年、東京都生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。東京大学社会科学研究所助手、東京大学大学院経済学研究科教授などを歴任ののち、現在東京大学名誉教授。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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