内容説明
空海、鴨長明、荻生徂徠、伊藤仁斎、福沢諭吉、南方熊楠、西田幾多郎…実に多様で新鮮な思想が、この国にはある。人間や自然だけでなく、目に見えない死者や神仏との関係も親密なものとして捉えてきた。他者との関係性のなかで自己を捉える視点こそ、いま求められている。日本の思想史を彩る45の著作をひもとき、未来を生きるためのヒントを見出す。各著作の解説と原文抜粋を載せ、巻末には年表とブックガイドも収録する。
目次
1 自然と人間
2 死者からの問いかけ
3 超俗から世俗へ
4 身体への眼差し
5 仏教を捉え直す
6 「日本」とはなにか
7 社会と国家の構想
著者等紹介
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年、山梨県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。博士(文学)。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。専門は仏教学・日本思想史。仏教を含めた日本思想史・宗教史の研究とともに、広く哲学・倫理学の文脈のなかで、現代に生きる思想としてそのあり方を模索。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
36
2016年初出。高校倫理でも出てくる人は多いが、しかし、その著作名やあらすじまでは立ち入っていないことも多い。多くの著作は知らないものから成る。45テーマで、うち、32ぐらいは高校生でも知っているかもしれない。6頁構成で、1頁目が著者名、作品名のイントロ。2頁目は原文(意訳付きも)、3頁目からが著者の簡にして要を得る説明、解説である。5頁目の最後に参考文献、6頁目に著者の略歴まである。巻末にはブックガイド、登場する人物の生きた時代年表まであるのはうれしい限り。2020/05/23
きさらぎ
8
著者の本は『日本仏教史』に続いて2冊目。柔らかく明瞭な語り口。世相に対する批判も多少は混じるが、基本的に「紹介」に徹した共感の姿勢が気持ちいい。初出が月イチの新聞連載ということで、空海、篤胤、道元、丸山といった大家45人の著作を文庫3頁で紹介していくのだからどうにも食い足りない感は否めない。仏教がメインなので、本書を「面白い!」というにはもう少し仏教思想の変遷や葛藤について十分な知識が必要だったのではという気はする。ただまあ、しばらく読書から離れ気味だったので、リハビリ的にちょうどよかったかな。2020/06/15
しずかな午後
3
空海から丸山眞男まで、日本思想史の重要な著作(とくに仏教書)からの引用と、そこから現代へのメッセージを読み取る。もともと新聞連載だったということもあって一冊あたり短くて読みやすい。親鸞・日蓮といった鎌倉新仏教や、柳田・西田・鈴木大拙といった近代の偉人たちまで、なかなかのラインナップ。そんな中に、叡尊・鉄眼・中山みきといった類書であまり見ないような人物もいて、勉強になった。2022/04/23
おサゲっち
3
自分の読書力の至らなさから、すぐこうした本に手をつけてしまう。中高生向きの入門書。この大家の仏教理解の世界に早く踏み込みたいものだ。2020/05/22
ロバーツ
1
仏教を中心とした日本思想の名著の解説をジャンル別に収録。 紹介されている45冊中6冊のみ読破。2021/05/27
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- 和書
- 明日はもっといい日になる