出版社内容情報
死者が自らの供養のために寺で経をあげる「いつもよくあること」、理不尽な離縁を恨んで死んだ妻の亡霊に恐怖する「女の死体にまたがった男」、散文詩の頂点を示す一幅の絵画のような「蓬莱」、円朝の同題の人情噺としても有名な「牡丹燈籠」、人間が異界の女たちの魔性の美しさに幻惑されていく「泉の乙女」「鳥妻」、死をも超越した人間の信と義を描く「顔真卿の帰還」、深刻な幼年期の恐怖体験を綴るハーン文学の原点ともいえる「私の守護天使」――アメリカから日本時代に至るまで、人間の心や魂、自然との共生をめぐる、ハーン一流の美意識と倫理観に彩られた代表的作品三十七篇を精選。詩情豊かな訳で読む新編第二弾。
内容説明
理不尽な離縁を恨んで死んだ女の亡霊に恐怖する「女の死体にまたがった男」、散文詩の到達点を示す一幅の絵画のような「蓬莱」、円朝の同題の人情話としても有名な「牡丹燈籠」、深刻な幼年期の恐怖体験を綴るハーン文学の原点ともいえる「私の守護天使」―アメリカから日本時代に至るまで、人間の心や魂、自然との共生をめぐる、ハーン一流の美意識と倫理観に彩られた代表的作品37篇を精選。詩情豊かな訳で読む新編第2弾。
目次
第1章 妖怪たちの棲むところ(天狗の話;普賢菩薩の伝説;弁天の感応;鮫人の恩返し;食人鬼;女の死体にまたがった男;いつもよくあること;閻魔大王の法廷にて)
第2章 蓬莱幻想(蓬莱;浦島伝説;倩女の話;天の川叙情;伊藤則資の話;牡丹灯籠)
第3章 愛の伝説―アメリカ時代の「怪談」より(泉の乙女;鳥妻;最初の音楽家;愛の伝説;天女バカワリ;大鐘の霊;孟沂の話;織女の伝説;顔信卿の帰還)
第4章 さまよえる魂のうた―自伝的作品より(夢魔の感触;私の守護天使;偶像崇拝;ゴシックの恐怖;星たち;幽霊;永遠の憑きもの;露のひとしずく;草雲雀;夢を喰うもの;玉の物語;餓鬼;夜光るもの;ひまわり―ロバートの思い出に)
著者等紹介
ハーン,ラフカディオ[ハーン,ラフカディオ] [Hearn,Lafcadio]
1850年、ギリシアのイオニア諸島にあるレフカダ島で、アイルランド人の父とギリシア人の母の間に生まれる。幼くして父母と別れ、19歳でアメリカに渡る。以後、世界各地を転々とし、90年、通信記者として来日。同年、小泉節子と結婚。96年帰化し、小泉八雲と改名。英語、英文学を講じる一方、日本人の内面や日本文化の本質を明らかにする作品を描き続けた。1904年没
池田雅之[イケダマサユキ]
三重県生まれ。早稲田大学名誉教授。専門は比較文学、比較文化論。小泉八雲、T.S.エリオツトなどの翻訳家でもある。NPO法人鎌倉てらこやの理事長を長らく務めたのち顧問に就任。その社会貢献活動に対して、文部科学大臣奨励賞、正力松太郎賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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