内容説明
言霊の大いなる循環をおそれた万葉集の詩人たち。権力と性愛のふたつの糸が織りなす源氏物語。霊性の贈与を信じ自らを投げ出した親鸞。東海道中膝栗毛の驚くべき軽さと、その底に広がる深淵―。古典文学がいまなお私たちを魅了するのは、自然と文化が分離されない「大地」に、その言葉が根をおろしていたからだ。霊、貨幣、共同体、そして国家をめぐる思考から、日本人の無意識を揺さぶる19の古典に迫る。
目次
源氏物語
万葉集
新古今和歌集
歎異抄
東海道中膝栗毛
松尾芭蕉
栄花物語
日本霊異記
蜻蛉日記
雨月物語
太平記
井原西鶴
大鏡
宇治拾遺物語
夜の寝覚
日本書紀
近松門左衛門
禅竹
謡曲 江口
著者等紹介
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。思想家、人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。多数の著作がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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rou
6
中沢新一に対して私は理解がある方だと自認していたけど、これは…2025/05/05
Book Lover Mr.Garakuta
5
奥が深いですね、国文学も、かかす事が出来ないですね2019/03/08
東山ききん☆
2
教養もあり知識もある文章なのですが、根拠のない筆者の推論に基づく歴史的、文化的背景の断定が多く、あまり参考にならない。しかし、知識量と文章から感じる教養は本物なので「そう感じる心もあるのだなあ」と思いながら読むのがこの本の正しい読み方でしょう。論とかではなく、めちゃくちゃ品のある感想文といった感じです。2019/08/09