潜伏キリシタンは何を信じていたのか

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潜伏キリシタンは何を信じていたのか

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  • サイズ B6判/ページ数 296p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784044003456
  • NDC分類 198.221
  • Cコード C0039

出版社内容情報

ゼ十ス様、丸や様とはだれか? 通説を覆すおどろきの信仰世界が明らかに230年の長きにわたり、信仰を守った潜伏キリシタン。2018年6月には世界遺産登録も予定されている。しかし本当に彼らはキリシタンを唯一の宗教としていたのだろうか。潜伏キリシタンの驚きの姿を明らかにする

第一章 夢とロマンのキリシタン史
第二章 キリシタンに改宗するとは 
第三章 改宗後のキリシタン信仰の姿
第四章 潜伏時代のキリシタン信仰
第五章 創作された二つの奇跡 ?バスチャン伝承と信徒発見の新解釈―
第六章 再生した復活キリシタン
第七章 潜伏キリシタンからカクレキリシタンへ
第八章 カクレキリシタンの神とは
第九章 復活キリシタン教会とその信仰
第十章 日本ではなぜキリスト教徒は増えないのか

宮崎 賢太郎[ミヤザキ ケンタロウ]
著・文・その他

内容説明

江戸初期から明治国家誕生まで、命がけで信仰を守り通したとされる潜伏キリシタン。だが、宣教師たちのたどたどしい日本語でキリスト教の三位一体の意味を理解できたのだろうか。まして、禁教時代は一人の宣教師もいなかったのだ。著者は、かねてからこの点に疑問を抱いてきた。そして、今なお長崎県下で信仰を伝えるカクレキリシタンたちの調査研究から、彼らが信じてきたものはキリスト教ではないことを突き止める。キリシタン=「夢とロマン」の幻想に一石を投じる書。

目次

第1章 夢とロマンのキリシタン史
第2章 キリシタンに改宗するとは
第3章 改宗後のキリシタン信仰の姿
第4章 潜伏時代のキリシタン信仰
第5章 創作された二つの奇跡―バスチャン伝承と信徒発見の新解釈
第6章 再生した復活キリシタン
第7章 潜伏キリシタンからカクレキリシタンへ
第8章 カクレキリシタンの神とは
第9章 復活キリシタン教会とその信仰
第10章 日本ではなぜキリスト教徒は増えないのか

著者等紹介

宮崎賢太郎[ミヤザキケンタロウ]
1950年、長崎市生まれ。東京大学文学部宗教学宗教史学科卒業。同大学院人文科学研究科修士課程中退。純心女子短期大学教授などを経て、長崎純心大学人文学部教授。2016年3月退官。キリシタン時代から現在まで、日本人のキリスト教の受容と変容のあり方を追求。カクレキリシタンたちが暮らす地域でのフィールドワークも続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

それいゆ

48
230年間、一人の指導者もいない中で信仰を保つことなどありえないことです。大浦天主堂に現れた潜伏していた浦上のキリシタン信徒たちが、「サンタマリアの御像はどこ?」と本当に言ったのか?この信徒発見の話は、私は以前から疑問に思っていました。彼らの信仰は、キリスト教とはみなせぬほど異宗化したものであったことは間違いなく、長文の祈りはただ暗記しているだけで、意味は分からない。キリシタンたちは命がけで信仰を守り通したが、その信仰はキリシタンとは呼ぶことのできない別のものであった、という考え、そのとおりだと思います。2018/09/30

かおりんご

30
これを読むと、潜伏キリシタンの方たちが本当にキリストの復活を信じていたのかかなり怪しく感じます。もっとも、今ほど他の国との交流がなかった時代に、どこまでラテン語のミサが理解できていたのか、私も常々疑問ではありましたが。祖先が信じていたものを継承するだけで、命を落としたと思うとかなり切ない。本来のキリスト教とはかなりほど遠い形での信仰だったようですしね。でも、遠藤周作を始め、カトリック司教団も長い間キリスト教が信仰されてきたと書いているのが、この本を読んだあとだとなんとも胡散臭い。2018/05/08

Sato

20
今年長崎県の潜伏キリシタン関連施設が世界遺産に登録された。キリスト教の渡来は戦国時代であり、ラテン語の通訳もいない中、どうやってキリスト教の教義を日本人に伝え理解させたのか?また禁教となり宣教師もいない中、どうやって信仰を守ってきたのか?私はずっと疑問に思っていた。本書はクリスチャンでもある著者が潜伏キリシタンの実態について、あくまでも仮説であるが、潜伏キリシタンが信仰していたものは単なる祖先から伝わる慣習と民族宗教であり真のキリスト教ではないことを日本人の宗教観と共に書かれており興味深い内容であった。2018/08/31

18
ユネスコが世界遺産に登録勧告とのことで手に取った一冊。この本ではカクレキリシタンは明治の禁教令以後、潜伏キリシタンは江戸期と定義。「隠れ」だと悪いことみたいだから、カタカナにということらしいんだけど「フクシマ」を思い出す流れでどうもなあ…。江戸期に執拗な取締にも屈しなかった理由として、神からのタタリを怖れていたこと、踏み絵は普通に踏んで、そのわらじを鍋で煮て、水を飲めば許されると解釈してたことなどに驚いた。2018/05/06

gtn

18
潜伏キリシタンが守り通してきたのはキリスト教信仰ではなく、ご先祖から伝わる慣習という説には同感。しかし、16世紀末、領主の改宗の命により、領民が神棚や仏壇をたやすく焼き捨てたとの宣教師の記録は信じがたい、本国向けの宣伝ではないかと著者はいうが、異議あり。厳しい生活環境の中、神仏の御利益が感じられなかったこと、また、お上には逆らえなかったことから、神仏を棄て去ることにさほど抵抗感はなかったものと想像する。後に、寺請制度をすんなり受け入れたのがその証左ではないか。2018/05/01

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