内容説明
「誰もやさしくなんかない/だからせめて/汚ないまねはやめようじゃないか」(「やさしさ」)永遠のバンドマン、忌野清志郎が遺した生涯唯一の完全詩集、待望の文庫化。「雨あがりの夜空に」から「スローバラード」まで、みずみずしい感性が弾ける全64篇。音なき言葉は色褪せることなく、読者に静かに寄り添いながら、詩人としての無二の世界を魅せ続ける―。各曲収録オリジナル盤リスト付き。
目次
トランジスタ・ラジオ
こんなんなっちゃった
ダーリン・ミシン
ぼくはタオル
あの夏のGo Go
はじめましてよろしく
ねむれないTonight
SUMMER TOUR
ステップ!
ダンス・パーティー〔ほか〕
著者等紹介
忌野清志郎[イマワノキヨシロウ]
1951‐2009年。バンドマン。高校在学中にRCサクセションを結成。1970年「宝くじは買わない」でデビュー。10年連続日本武道館公演などの実績を残す。1991年バンド活動休止後もソロ活動の他、映画・ドラマ出演や絵本の執筆、サイクリストなど活動は多岐にわたり、ファンを魅了し続けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
厩戸皇子そっくりおじさん・寺
93
最近YouTubeで忌野清志郎の2~3の曲を繰り返し聴く。聴いていて思う事は、今いなくて淋しい人間は立川談志と忌野清志郎だと思う。私はこの人の良い客ではなかったが、今にして素晴らしい無二のキャラクターだったと惜しむ。この初期詩集は偽悪的な詩も多いが、吐胸を突かれる真実の言葉や愛の言葉が不意に現れる。私は辛い時に、親友や愛する人と話す度に『君が僕を知ってる』という曲名とその歌詞の一部を思い出さない事はない。思い出しては都度暖められている。君が僕を知ってる喜びを教えてくれたのが、忌野清志郎というのが嬉しい。2018/03/05
hanchyan@飄々
35
もう、なにもかもが愛おしい。角田光代氏の解説も素晴らしい。♪悪い~予感の~かけらも・な~いさ~~~♪2018/01/28
ann
32
国分寺へクルマで行くとき必ず通る「多摩蘭坂」。素敵な住宅街のバス停はまだある。「おはようダーリン」は今読んでも(聴いても)泣ける。カオスのようだった懐かしの立川セントラルはもうない。清志郎さんの目で見た風景の中で暮らしてる自分は昭和のロックがやっぱり好き。手にしてるのは初版本。ご本人のあとがきがイイ!2015/11/17
ぐうぐう
32
早いもので、忌野清志郎が逝って、今日で丸5年となる。そんな命日に、清志郎の曲を聴くためにCDをかけるのではなく、あえて清志郎の詞を読むために本を開いてみた。メロディから切り離し、言葉だけと触れてみると、そのシンプルさ、素直さ、優しさに改めて圧倒される。清志郎は、うまく言おうとしていない。そこがいい。「ああ こんな気持ち うまく言えたことがない ない」。だからこそ、その気持ちが伝わってくるのだ。本を閉じると、やがて言葉にメロディが付き、清志郎のあの声が聞こえてきた。2014/05/02
ちぇけら
24
飾ったことばなんていらないって、おいら知らなかった。ことば自体が、飾りみたいなもんさ。だけど、ダッセーことばもたまには光輝くから捨てられない。忌野清志郎の使うことばはたまらない。「お月さまのぞいてる 君の口に似てる/キスしておくれよ 窓から」いつまでたっても、もう清志郎は生きていなくて、でもいつまでもことばは生き生きしていて。リズムがあってもなくても、すでにことばはリズムにのって空をとんでいる。いろんな景色を映している。「お前が好きさ おいらはそれしか言えない/ほかの言葉しらない/だけど言葉で何が言える」2019/05/13