出版社内容情報
上田 秋成[ウエダ アキナリ]
著・文・その他
佐藤 至子[サトウ ユキコ]
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内容説明
白峯の御陵を訪ねた西行法師の前に崇徳院の亡霊が現れる「白峯」、学者と武士が義兄弟の盟約を結び、ある約束をかわす「菊花の約」、蘇生した僧侶が自らの数奇な体験を語る「夢応の鯉魚」、風雅を好む青年が妖しい美女に出会う「蛇性の婬」など、あの世とこの世、人間と人間でないものが交錯する、美しくも恐ろしい9つの物語。流麗な筆致でつづられた本格怪異小説を、やさしい現代語訳と丁寧な解説とともにダイジェストで読む。
著者等紹介
上田秋成[ウエダアキナリ]
享保19‐文化6年(1734‐1809)読本作者・国学者・歌人・煎茶家。大坂生まれ。本名は東作。号は無腸など多数
佐藤至子[サトウユキコ]
1972年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。博士(文学)。日本大学教授。専攻は日本近世文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よむよむ
83
あの世とこの世、人の欲、人でないものが交錯する、美しく妖しく儚い9つの物語。やさしい現代語訳と丁寧な解説付きで読みやすかった。西條奈加さんの「雨上がり月霞む夜」と並行して読んだので、どちらの作品も楽しめた。ダイジェスト版だったので機会があれば全編を読んでみたい。2019/05/31
ひさしぶり
25
古典文学として現代に残るだけあり文章がとても味があり美しい。ビギナーズクラシックは国語の教科書風(設問なんかが付いてたら更に)で分かりやすい。乱世が予言される「白峯」で始まり治世が予言される「貧福論」で完結させる技あり。医療の不十分な昔では病気は全て物の怪の仕業。人が恨み妬みに傾くと心侵されケモノと化す。この世の恐ろしきはヒトなり。2021/04/22
ベル@bell-zou
23
「雨月物語-上田秋成」この紐付けは試験でお馴染みだったのに恥ずかしながら初読み。作品は序章と九つの怪異短編。現代語訳を中心に原文の一部対比、途中途中に元にしたと思われる中国や日本の古典小説をひいた解説も挟み”ビギナーズクラシックス”という冠通り教科書のような読み心地。確かに分かり易かったが、物語世界そのものに浸りにくい構成でもあった。短編はどれも自然や精神世界が身近だったであろう日本の不安定な時代を妖しくそして悲しく映す。とても好みなのは確かなので、ぜひ原文全部掲載『雨月物語 現代語訳付き』を読みたい。2018/07/07
ホシナーたかはし
18
私のような、一から読むのが面倒くさい、どんな話か概要が知りたい、有名どころだけつまみ食いしたい人向けの入門書。「菊花の約」「夢応の鯉魚」はラフかディオハーンの怪談にも載っていましたが、こちらが原点ですか。販促だよこれ、現代語訳買う気になってます。2020/12/01
オザマチ
11
実のところ放送大学の講義の予習のつもりで読み始めたが、思いのほか面白くて一気読みする形となった。2020/09/02
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- 和書
- 森の中の小さなテント