角川文庫<br> 日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」

個数:
  • ポイントキャンペーン

角川文庫
日本中世に何が起きたか―都市と宗教と「資本主義」

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月30日 00時18分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ 文庫判/ページ数 272p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784044001919
  • NDC分類 210.4
  • Cコード C0121

出版社内容情報

無縁論から資本主義論へ。後期網野史学の代表作、待望の文庫化!「なぜ、平安末・鎌倉という時代にのみ、すぐれた宗教者が輩出したのか」。高校教諭時代、教え子から問われて以来30年余、通説を覆す数々の研究の過程で見えてきたものとは何か。「無縁」論から「資本主義」論へ――対極に考えられてきた、宗教と経済活動との関わりを解明。中世社会の輪郭を鮮明に描くと共に、国民国家という枠組をも超えてゆくべき、現代歴史学の課題を提言。網野史学の全容を俯瞰できる名著。解説/呉座勇一

【序にかえて】
絵師の心 一遍と「乞食非人」  

【1 境界】
境界に生きる人びと 聖別から賎視へ  
中世の商業と金融 「資本主義」の源流  
補論 市の思想 〔対談者・廣末保氏〕  

【2 聖と賎】
中世における聖と賎の関係について  
中世における悪の意味について  

【3 音と声】
中世の音の世界 鐘・太鼓・音声  

【4 宗教者】
一遍聖絵 過渡期の様相  

【あとがきにかえて】
宗教と経済活動の関係  

初出一覧  
解説 呉座勇一

【序にかえて】
○絵師の心 一遍と「乞食非人」  
絵師が描けなかったもの/『一遍聖絵』を読む

【1 境界】
○境界に生きる人びと 聖別から賎視へ  
自然と人間との境/境界的な行為としての交易/出挙――神物を貸し付ける/芸能と神仏/律令国家とのせめぎ合い/神仏、天皇に直属/聖なるものの「奴隷」/職能集団の形成/勧進が名目の貿易/東国と西国の違い/「資本主義」の源流/神仏の権威の低落/宗教と資本主義
○中世の商業と金融 「資本主義」の源流  
百姓の虚像と実像/米・絹・布も貨幣/信用経済の展開/海辺の百姓/山中・平地の百姓/僧侶・山臥の代官/荘園経営の日常/経営を円滑に行う能力/二十一世紀への課題

○補論 市の思想 〔対談者・廣末保氏〕  
市・辺界・無縁の空間/宗教民・芸能民・商人集団/商人=芸能者の関係/市の思想・公と私の間

【2 聖と賎】
○中世における聖と賎の関係について  
「差別」について/民族差別について/日本は「島国」か/庶民レベルの交流/遊女・傀儡について/穢れと差別/「悲田院」と非人/神の奴婢・仏の奴婢・天皇の奴婢/聖なるものの権威/南北朝の動乱以後の社会/神仏の権威の低落/多様な列島社会で
○中世における悪の意味について  
均質でない社会/ある荘園調査での体験/東と西の差異/「日本」を相対化する/「西日本」と部落問題/「悪」について/穢れについて/博打と遊女/悪党と流通・交通路/重商主義と農本主義の対立/地域の実情に即して

【3 音と声】
○中世の音の世界 鐘・太鼓・音声  
「鐘」――日常世界を超えるもの/太鼓合戦/三巴の紋―呪術的な力/音の聖性がたどる道/天につながる声/聞耳のこと/微音と高声/この世と仏の世をつなぐ声/高声念仏の秘めていた可能性

【4 宗教者】
○一遍聖絵 過渡期の様相  
はじめに/修行・伝道の旅/賦算の条件/未開から文明へのエネルギー/「徳人」の源流/「悪党」たちの支持/「非人」の救済/女性全体の救済/阿弥号を名のる人びと/むすび

【あとがきにかえて】
○宗教と経済活動の関係  

初出一覧  
解説 呉座勇一

網野 善彦[アミノ ヨシヒコ]
1928年山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。都立北園高校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。専門は日本中世史、日本海民史。著書に『日本中世の非農業民と天皇』『無縁・公界・楽』『異形の王権』『蒙古襲来』『日本の歴史をよみなおす』『日本社会の歴史(上・中・下)』『「日本」とは何か』『歴史と出会う』『海民と日本社会』ほか多数。2004年逝去。

内容説明

「なぜ、平安末・鎌倉という時代にのみ、すぐれた宗教家が輩出したのか」。高校教諭時代、教え子から問われて以来30年余、通説を覆す数々の研究の過程で見えてきたものとは何か。「無縁」論から「資本主義」論へ―対極に考えられてきた、宗教と経済活動との関わりを解明。中世社会の輪郭を鮮明に描くと共に、国民国家という枠組みをも超えてゆくべき、現代歴史学の課題を提言。網野史学の全容を俯瞰できる名著。

目次

1 境界(境界に生きる人びと―聖別から賎視へ;中世の商業と金融「資本主義」の源流)
2 聖と賎(中世における聖と賎の関係について;中世における悪の意味について)
3 音と声(中世の音の世界―鐘・太鼓・音声)
4 宗教者(一遍聖絵―過渡期の様相)

著者等紹介

網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年、山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。都立北園高校教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。専門は日本中世史、日本海民史。著書多数。2004年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yutaro sata

35
生や死やそれ以外の「穢れ」に関わっていた人たちは、聖なるものとかかわりが深く、尊敬もされていたが、聖なるものの地位が落ち、穢れに関わっていた人々がそこから切り離されると、途端に差別が出現してくる、という。 中世のこの時期に、親鸞さんなんかが出て来る必然など。 東日本と西日本では被差別部落に対する感じ方が違うという話などは、面白いと思うと同時に、東日本出身の人間としては気をつけなければ、と思ったりした。2023/07/17

魚京童!

15
資本主義について詰め切れなかった。飽きちゃった。元気がない。溢れるバイタリティー、膂力が滾る。そんなことがなくなってしまった。どうでもよくなった。なんで生きてるかっていうと死ねないから。魔の山の7年を過ごしている気がする。いろいろ話はあったけど、その7年はただ過ぎていった。そんな時代を過ごしている気がする。カストルプ君も何も考えなかったんだと思う。いつか死ぬ。死ぬのを待ってた。そこに戦争が始まった。戦争始まらないかなー。もう従軍っていう陸地を奪うこともないんでしょ。核爆弾落として終わりなんでしょ。あとはゲ2021/05/29

うえ

9
「一体なぜ南北朝の動乱以後、遊女や非人の地位が決定的に低落したか、なぜ賤民視されるようになったか。それはこの動乱を境に天皇、神仏の権威が決定的に低落したことと表裏をなしていると考えられます…天皇は実権をほとんど失って、儀礼に携わる役割を主として担うようになってくる…神人の嗷訴は、南北朝の動乱を越えるころになると激減し、ほとんど起こらなくなってぎす。義満は洛中の酒屋に課税しますが、以前だったら、これは必ず嗷訴が起こったと思われます。洛中の酒屋・土倉は延暦寺の僧侶ー山僧あるいは日吉神社などの神人なので」2021/12/29

moonanddai

7
平安、鎌倉の頃、非人と呼ばれる人たちも含め「芸能民」(商工業者や狭い意味での芸能の民など)に区分される人が相当おり、それぞれ寺社や天皇に直属し、地位が明確で聖視されていた、という。遊女も宮廷に呼び出され、それ自身の芸能で奉仕する芸能民だった。で、思ったのですが、そういう遊女がなぜ法然に救いを求めたのか(法然伝説)。それに関する論文も参照しますと、確かに当時、玉の輿に乗る者もいれば老い寂れる者もおり、蔑視されはしないが、ある罪悪感は持っていたらしい。つまり、社会的な地位と罪悪感は別物ということでしょうか。2022/03/20

T.Matsumoto

5
呉座勇一氏の解説が、専門的でありながらもわかりやすい名文です。史実よりも、新史観の提示に重きを置いたベストセラー、しかも筆者の網野氏は筋金入りのマルキストときたら、読み方変わりますね。表題からして、ちょっと論理が飛躍しているなと思いながら読みましたが、テーマ設定が天才的なんですね。特に、日本史における宗教と経済の結びつきは興味深いテーマです。マックス•ウェーバーの影響かもしれませんが。2017/10/05

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11577369
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。