出版社内容情報
福澤諭吉は、明治8年に書かれたこの『文明論之概略』において、維新革命後の日本が迎えた新たな状況を考察し、社会に向けて「まずは西洋文明を目指すこと」を説いた。日本の近代化の歩みを決定づけた名著のひとつに数えられているが、それを全新訳したのが本書である。 確かな考察に基づいた平易で読みやすい現代語訳に解説を付した保存版。第一章 議論の本位を定めること 第二章 西洋の文明を目的とすること 第三章 文明の本旨を論じる 第四章 国民の智恵と道徳を論じる 第五章 前の議論のつづき 第六章 智恵と道徳の区別 第七章 智恵と道徳が行われるべき時代と場所とを論じる 第八章 西洋文明の由来 第九章 日本文明の由来 第一〇章 自国の独立を論じる 解説/人間・この豊饒なるもの 福澤諭吉論
内容説明
日本が本当の「文明」に到達するためには、社会を支配する「権力の不均衡」を治療せねばならない。そして、結果として生じる多少の矛盾と不平等までをも、引き受けて生ききってみせる勁さを持たねばならない―福澤が追い求めた「文明」の真意を、気鋭の日本思想史家が再検証。あらゆる価値観が瓦解する混迷の時代に、明確な理論的指針を与え続けてきた名著の全文を、新解釈とともに、圧倒的に読みやすく現代語訳した最新版。
目次
第1章 議論の本位を定めること
第2章 西洋の文明を目的とすること
第3章 文明の本質を論じる
第4章 国民の智恵と道徳を論じる
第5章 前の議論のつづき
第6章 智恵と道徳の区別
第7章 智恵と道徳が行われるべき時代と場所を論じる
第8章 西洋文明の由来
第9章 日本文明の由来
第10章 自国の独立を論じる
著者等紹介
福澤諭吉[フクザワユキチ]
1835年大坂中津藩蔵屋敷生まれ。54年蘭学を志し、長崎に出る。翌年緒方洪庵の適塾入門。56年福澤家の家督を継ぐ。58年江戸中津藩中屋敷に蘭学塾を開くが、翌年英学に転向。60年軍艦咸臨丸でサンフランシスコへ渡航。62年幕府遣欧使節随行員としてヨーロッパを歴訪。68年塾舎を新銭座に移転、「慶應義塾」と命名し、71年には三田へ移転。90年慶應義塾大学部を設置。1901年、66歳で死去
先崎彰容[センザキアキナカ]
1975年東京都生まれ。東京大学文学部倫理学科卒業。東北大学大学院文学研究科日本思想史専攻博士課程単位取得修了。フランス社会科学高等研究院に留学。文学博士。現在、日本大学危機管理学部教授。専攻は近代日本思想史・日本倫理思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのくま
くろみつきなこ
紙狸
Ryo
バルジ