俳句の海に潜る

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俳句の海に潜る

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  • サイズ B6判/ページ数 268p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784044001551
  • NDC分類 911.304
  • Cコード C0092

出版社内容情報

俳句はアースダイバーの文芸である――。その人類史的可能性をめぐる対話俳句は自然認識の最前線であり、古代と前衛のふたつの回路から世界の本質に迫ろうとしている――。深川・甲州・諏訪を漂い、縄文の古層へ。詩とアニミズムの新たな地平が浮かび上がる、人類学者と俳人の異色対談!

はじめに (中沢新一)

第一章 自然認識としての俳句

第二章 陸から海へ ── 深川にて

 俳句と仏教 (中沢新一)

第三章 定住と漂泊 ―― 甲州にて

 俳句のアニミズム (中沢新一)

第四章 アヴァンギャルドと神話 ―― 諏訪にて

 中沢さんと話しながら、俳句について考えたこと (小澤實)

中沢 新一[ナカザワ シンイチ]
1950年生まれ。思想家、人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。『アースダイバー』(講談社)、『日本の大転換』(集英社新書)、『チベットのモーツァルト』『森のバロック』(講談社学術文庫)、『日本文学の大地』(KADOKAWA)、『熊楠の星の時間』(講談社選書メチエ)など著作多数。

小澤 實[オザワ ミノル]
1956年生まれ。俳人。俳句雑誌「澤」主宰。成城大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。句集に『砧』(牧羊社)、『立像』(角川書店、俳人協会新人賞)があるほか、2006年に第三句集の『瞬間』(角川書店)で読売文学賞を受賞。讀賣新聞・東京新聞の俳壇の選者をつとめる。著書に『俳句のはじまる場所』(角川選書)がある。

内容説明

俳句はアースダイバーの文芸である。その人類史的可能性を問いかける、俳句論の新地平!深川・甲州・諏訪を漂い、縄文の古層へと踏みこむ。詩とアニミズムの回路をきりひらく、人類学者と俳人の対話。

目次

第1章 自然認識としての俳句
第2章 陸から海へ―深川にて
俳句と仏教
第3章 定住と漂泊―甲州にて
俳句のアニミズム
第4章 アヴァンギャルドと神話―諏訪にて
中沢さんと話しながら、俳句について考えたこと

著者等紹介

中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。思想家、人類学者。明治大学野生の科学研究所所長。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学

小澤實[オザワミノル]
1956年生まれ。俳人。俳句雑誌「澤」主宰。成城大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。句集『立像』で角川書店、俳人協会新人賞。2006年に第三句集の『瞬間』(角川書店)で読売文学賞を受賞。読売新聞・東京新聞の俳壇の選者をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

袖崎いたる

10
詩学とは結局のところ言葉の物質化の方法論なのかしらね。本書は主に芭蕉の人と句を手掛かりに、水平方向へと地平を展開する文化が誤魔化そうとする所の垂直方向としての自然の古層へと触れようとする意志…としての俳句を考える。気になったのは小澤さんが俳句の評価に、所謂テクストとしての句に対して、作者がその句の醸すスペクタクルを実際に経験したのか否かをかなり重視していたこと。作者と作品は分けられるべきか否かの問題はビミョーな所だな。中沢さんの方は相変わらずトリックスターを譲らない。彼からすれば能年玲奈は縄文人(笑)。2017/03/20

くり坊

10
小沢新一(人類学者? 宗教学者?)と小澤實(俳人)の交流録で、対談と講演録と対談から派生したエッセイが収録されています。書名が『俳句の海に潜る』なので、俳句に興味のない読者はまず手に取りそうもない本ですが、普通に文化論として面白かったので、読者が限定されてしまいそうな点は、もったいないなぁと思います。でも、やはり俳句の話なので仕方がないか‥‥。(俳句といっても、芭蕉=「アースダイバー」説を語り合うので、俳句の細かいことは置いといて、芸術全般に興味のある読者が大掴みに読むのに適していると思います。)2017/01/27

吟遊

10
ニューアカの旗手であり、人類学者として学際的な活動を続ける中沢新一さんと、芭蕉をどこまでも尊ぶ姿勢の俳人、小澤實さんの対談。中沢さんが8割方しゃべっている気がする。笑 「俳句とアニミズム」のところ、小澤さんがアニミズム俳句と呼べそうなものを10ほど列挙するのが面白い。また、飯田蛇笏には両者とも思い入れが深いらしく、蛇笏に関する語りは読み応えがある。2017/01/08

かふ

9
芭蕉は海民という説は面白かった。短歌が中央の政治の基盤となる祈りの歌ならば、俳句は外部から揺さぶっていく自然への変貌と賛歌。自然=アニミズム。その前に『「神道」の虚像と実像』を読んでいたので神道に結びつけるのはどうかなと思ったけど縄文文化のアニミズムの信仰が蛇という話だったが、ヤマトタケルが退治する八岐の大蛇はそういう川=蛇を統治するということだった。あとアンデスなんかの太陽の光の軌道とか蛇で表す場合もあるとか。自然信仰を断ち切る刀と人神として考えればいいのか。それでも蛇のお守りは残る。2017/05/23

Asako Nakamura

9
面白かった!でも、他の方の感想にもあるとおり、中沢さんの言い方は断定的で、強引な感じを受けました。でも、俳句のすごさを感じられて興味深かったです。喩の発見こそすべての宗教と文化の始まり、なるほどと思いました。2017/04/30

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