内容説明
なぜ聖徳太子は天皇になれなかったのか。その出生の秘密とは…?崇仏か排仏かの議論に決着をつけ、仏教支持を明確にした用明大王の死後、後を継いだ崇峻大王が暗殺された。暗殺に自ら手を下したのは、用明の遺児、厩戸皇子(聖徳太子)だった。叔母・推古天皇の摂政となった厩戸は、罪を重ねつつも蘇我馬子に対抗し、民衆を救う仏教王国の建設を志す。聖徳太子の暗黒面に光をあてて話題を呼んだ古代史小説の傑作、文庫化。
著者等紹介
篠崎紘一[シノザキコウイチ]
1942年、新潟県生まれ。早稲田大学文学部卒業。IT関連企業の社長を務める傍ら小説家を志し、2000年、『日輪の神女』で第1回古代ロマン文学大賞を受賞しデビュー。以後、現代的な解釈で古代史を読み解く古代ロマン小説に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しゅう
5
面白かった。日出処の天子読んで、聖徳太子の生涯に興味持って行き着いた。この手の歴史物は史実に基づいたフィクションとは思うけど、謎の多い人物なので、実はこうだった?と思ってしまう。状況が想像しやすくて読みやすかった。日本史勉強していた頃と同じく読みに苦労したけれど。2023/01/28
なー
4
おもしろかった!ほんとにこの推測通りなのでは思った。確かに、分からないことが多い人物だけど、色々考えるとのもロマンがある。次も読もう。2020/05/13
ruruti
3
私の中での聖徳太子とは、お札の顔であり、聖人偉人と呼ばれるに相応しい人と子供の頃刷り込まれたイメージが大きい。が、聖徳太子は、存在していなかったとか、あの肖像画も偽物とかと最近ではなっているらしく、興味を持って読んだ。この時代の血縁過ぎる人間関係には驚きで、なんども相関図で確かめてしまったり、仏教の教えの基本を今更ながらおさらいしたり、あのお札の顔からは想像できない程の人間臭い話にどっぷり引き込まれた。面白かった。2014/04/02
雛子
3
漫画『日出処の天子』で興味をもった聖徳太子。この小説ではよくよく聖人化されがちな聖徳太子が、あれこれに苦悩したり嘆いたり憤慨したりと、人間らしく描かれていた。聖徳太子が天皇に即位しなかった理由、なるほど、そう考えると腑に落ちる。一説としては面白いな。2011/11/28
ヒトコ
2
聖徳太子は実在しなかった説が優勢になる中、伝説的聖徳太子ではなく、人間厩戸皇子を描こうとしている。これまでの太子像とはかけ離れて、煩悩にまみれ残虐さ弱さを持つ一人の人間であり、時にあまり好感が持てないほどに自己中心的な面もある厩戸。親や妻たち政敵との葛藤、数々の犠牲を払い真の仏心に近づいていく姿、なるほどそういう見方もあるのかと思った。2014/06/10
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