内容説明
ベトナム戦争が泥沼化し、日本でも政情不安が続く1972年、奥秋川で一人の美青年が発見された。彼は記憶を失い、頭部に手術痕を残していた。キャンプ場を営む根岸に助けられ達也と名づけられた青年は、断片的に殺人の記憶が甦るようになる。やがて巨大軍需会社“大島産業”から達也に刺客が送り込まれた。だが、彼は「メギド」というもう一人の人格を自覚、敵を撃退し始める…。達也を待ち受ける凄絶な運命とは。
著者等紹介
渡辺裕之[ワタナベヒロユキ]
1957年名古屋市生まれ。中央大学経済学部卒業。大手アパレルメーカー、広告制作会社を経て、2007年『傭兵代理店』で鮮烈デビュー。一躍アクション小説界の新星として注目を集める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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R2
4
誰でも多重人格。傷ついた人ほど思い遣りがある。メギドとういう個人の多重人格の問題なのに、その問題を解き明かすにつれ見えてくる闇の戦争という社会性。SFでもあり社会批判でもあるスケールが大きい一方、メギド達也という内なる問題でもある。緊張感と闇(戦争)について考えてしまう濃密な大作だった!2014/08/13
こみち
3
★★★★主人公が強過ぎる。強すぎるから、ハラハラしてもドキドキしない。子供向けのアニメを文字化したような感じかな。読みやすくてあっという間に読めました。2021/05/16
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
3
やさしい好青年と冷酷な暗殺者が一人の肉体に宿った17歳の多重人格者が主人公。軍需産業の人間兵器として育てられた過去を振り切るために戦いにのぞむ。頭の中にそれぞれの人格が住む「アパート」があり、「住人」たちがコミュニケートできるというアイデアが面白い。物語の時代設定はベトナム戦争が熾烈さを増す70年代というのもミソ。大時代的な「活劇」が抵抗なく楽しめる。2013/12/28
おしょも
2
昭和のアニメのような展開。傭兵代理店はあんなに面白いのに、どうしたの〜?って聞きたいです。マンガのようにサクサク読めるので、疲れてる時はいいかな。2015/12/07
Pochi
2
最近こういう傾向のストーリーって読んでなかったなぁ。深いことを考えずに、バンバンボーン! というような大活劇。2015/09/01