内容説明
時は戦国。織田の軍に妻子を殺された若き上忍・影正は、信長への復讐を誓い紀州をめざす。付き従うは右腕の朽麿呂、くノ一の詩音ら、一騎当千の七人。だが山中の荒れ寺に辿りついた彼らを異変が襲う。寺の空間が不自然にひき伸ばされ、どうしても脱出できないのだ!さらに一人が、姿の見えない敵によって一瞬で屠られる。それはこの寺に棲む五体の妖怪が仕掛けた、死の五番勝負だった―。究極の戦国エンタテインメント。
著者等紹介
武内涼[タケウチリョウ]
1978年生まれ。群馬県出身。早稲田大学第一文学部卒業後、映画・テレビの制作に携わる。第17回日本ホラー小説大賞の最終候補となった「青と妖」を改稿・改題した『忍びの森』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キャプテン
49
★★★★☆_そんなんよく買うね、という同僚の声に泣いたーー。そんな劣勢で読み始めた本書。あらすじは「忍者vs.妖怪」。忍びらしからぬ熱き心根の上忍影正と七人の忍びが、信長の追っ手から逃げるうちに迷い込んだ寺で妖衆と壮絶な死闘を繰り広げる。骨太で大人向けなエンターテイメント。歴史考証も深く、歴史小説とも読める。筆力がもっと高ければグイグイ読ませられるもったいなさ。俺は好きな作品だもんね!どーせマニアックですよーだ!ふんだ!読了後の同僚のコメント→【【そんなのよく読みきるね】】やろー!泣かす!2016/08/18
香翠
26
修行し、鍛錬に鍛錬を積み、主人のために身を粉にして働いても報われない存在。切な過ぎる。2019/12/05
タツ フカガワ
24
織田信長の伊賀攻めで一族郎党を殺された影正は、生き残った忍者たちと熊野へと落ちる。途中出会った二人の忍者たちと廃寺龍雁寺で一夜を過ごすが、そこにとんでもない怪物、妖怪が潜んでいた。初めて読む武内凉本で、俄然面白くなるのは龍鴈寺で始まる伊賀忍者VS怪物・妖怪の戦いから。角川ホラー文庫ですが、山風先生の『甲賀忍法帖』を思わせる映像的興奮と、久々の忍者活劇として楽しみました。2018/05/23
keith
23
伊賀を焼き討ちにした信長に対する伊賀忍者の残党たちによる復讐物語かと思ってましたが、紀州に落ち延びる途中で逗留した寺での妖怪たちとの闘いの物語でした。荒唐無稽な設定ですが、まるでハリウッド映画のようでした。2019/01/05
ううち
21
『阿保』が『アホ』に読めてしまって苦労した(笑)寺での話がやや多すぎな気がしたけどバトルシーンは迫力あり。雪國がよかった。マンガとか映画にしたら面白そう。この方は草が得意みたいですね。2014/04/22