内容説明
“黄金の世紀”と賞賛された17世紀のオランダで、随一の画家として名を馳せたレンブラント。輝かしいデビューを飾り、芸術家としての「華やかなりし前半生」を過ごした彼は、代表作“夜警”を完成させると一転、「転落・没落の後半生」を送ることになる。そんな浮き沈みの激しい生涯、彼は光と影を自由に操り、最後まで傑作を世に出し続けた…。レンブラント絵画の魅力と、その波乱の人生をたどる、レンブラントファン必読のガイド本。
目次
プロローグ 「レンブラント」に対するイメージ
第1章 才能ある若き天才のデビュー(~1631)
第2章 アムステルダムでの活躍
第3章 称賛と批判
第4章 レンブラントのコレクション
第5章 “夜警”前後
第6章 レンブラントの後半生
第7章 晩年と「ラフな様式」
著者等紹介
熊澤弘[クマザワヒロシ]
1970年生まれ・東京藝術大学大学院修了。東京藝術大学大学美術館において、「歌川広重“名所江戸百景”のすべて」展(2007年)などの企画展を担当。現在は国立西洋美術館客員研究員。オランダ美術史、西洋素描・版画研究を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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あめま
23
絵が小さ過ぎて見えなーい!(細部が)。ハズキルーペをかけると・・・。それでも見えなーい!!(細部が)。というわけで、『光と影の魔術師』との異名を持つレンブラントに興味があったので手に取った一冊なんですが、文庫本サイズなのに見開きで掲載されていない絵が多くて、小さい物では、3cm×3cmしかなくて悲しかったです。逆に活字による解説はとても詳しいので、そういうのを求めてる人向けですね。絵を楽しみたいと思ってた自分には不向きでした。あ〜あ、同シリーズのフェルメールも買っちゃったよ💦2021/11/05
金吾
17
作品や名前は有名で、何度か見に行ったこともありましたが、どんな人かは全然知らなかったので人物像や作品の背景を知ることができて良かったです。2020/10/29
umeko
8
レンブラントはあまりにも有名で、その生涯は知っていはしました。いえ、知っているつもりだっただけです。文庫本ですが侮ってはいけません。充実の内容です。しかも、レンブラントについてもっと知りたいという欲求にかられます。こんなにも面白い画家だったとは!!!2011/07/27
ジュンジュン
6
17世紀オランダは「黄金の世紀」、その代表する画家がレンブラント。"光と影の画家"はその生涯も、光り輝く前半と没落破産する後半と分かれていて面白い。その分岐点が代表作「夜警」というのもなんだか運命的だ。肉声がほとんど残されていない中(手紙数点)、生涯と作品、スタイルの変遷を図版と共に跡づける。2019/11/16
リエ
4
バロック期を代表するオランダの画家・レンブラントの生涯を概観しつつ、作品の特徴である光と影のコントラストや写実性、多様性、また同時代の画家に如何なる影響を受けてきたかなどを解説する入門書。 コンパクトにまとまっているにも関わらず、レンブラントの生まれ年についての問題や代表作の分析など、かなり読み応えがあり知的好奇心をくすぐられました。 惜しむらくは文庫本という事で、やはり掲載されている図版が小さいところ。 各読者が画集やネット検索などで補う必要があります。2018/12/01