内容説明
数奇な運命に操られ、ひとつ艦で生き死にを共にすることになった連邦軍と反政府組織ネオ・ジオンの兵士たち。『ラプラスの箱』の謎を解くべく、協力して探索に乗り出したものの、拭いきれない疑念と恩讐が最悪の事態を呼び込んでしまう。「現実」は決して乗り越えられない壁なのか。一縷の希望に賭け、(ユニコーンガンダム)が裏切りの宇宙を翔ぶ―。“人の善意と可能性”を問う壮大なるSFサーガ、いよいよ核心に迫る第8弾。
著者等紹介
福井晴敏[フクイハルトシ]
1968年、東京都墨田区生まれ。98年「Twelve Y.O.」で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。99年『亡国のイージス』では第2回大藪春彦賞、第18回日本冒険小説協会大賞、第53回日本推理作家協会賞を受賞。2002年『終戦のローレライ』では第24回吉川英治文学新人賞、第21回日本冒険小説協会大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いりあ
25
福井晴敏の"機動戦士ガンダムUC"第8巻。ついにフル・フロンタルの考えていることが白日のもとに晒されます。シャアを始め今までジオンを引っ張っていた者たちと違い、長い演説もどこか他人事という感じだっただけに本当に彼は存在しているのか、それとも本当に器なのか…。ここまではバナージの成長が多く描かれていましたが、オードリーもだいぶ成長しました。バナージとオードリーという次世代のヒーロー/ヒロインを乗せてユニコーンが指し示す人類の可能性はいったい何なんでしょうか。やはり本巻でもおじさん達がかっこいい。2013/03/13
姉勤
18
怨念返し。呉越同舟。共通の敵への共闘により相互理解やシンパシーを感じたのも束の間、血肉となった肉親への故郷への踏みにじられた怨みは、そうそう消える事もなく、行動として現れる。そして失恋と嫉妬は新たな怨念として。 世代を重ねる事の意味。 新世代への旧世代からの強制と抑制。範を示せとは軽々しく言えないが、邪魔だけは避けるのが、仔をもうける生命体の大原則。海外では経済格差と知識格差をエサにした呪詛の継承。国内では老後の安心という建前の国費の食い潰しによる若者の疲弊が、 新世代の新たな怨念にならぬ様に。2015/03/19
佐島楓
15
夢を見て、壊されて、また夢を見る。人間を、世界を信じたいという思いが、バナージの原動力となる。オードリーは生まれながらにしていろんな人の運命を狂わせてますね。魅力があるのは認めるけれど、少女らしく振舞う時間もあげてほしいな。いち読者で、バナージとの幸せを願う者としては、結構やきもきします。アニメでは補完されるのかな。2011/10/18
ゲンショウ
14
引き続き拝読。呉越同舟の状況…人の可能性は、未来を切り開くのか…?全ての事柄には、慣性が働くもの。戦争の当事者たる大人には、抗う術を持たない。そして、器なる男もその目的を垣間見せる。…サイコフレームは、因果宇宙でイデとなり…創造した者、関わった者全てを呑み込んでしまう…。さて、旅の終点が解りました。九巻へ。2012/07/14
ヒロユキ
13
ガランシェールとネェルアーガマ、それぞれ敵対する組織のクルーたちはわだかまりを残したまま協力する…。オットー艦長の「…全員、死ぬな。以後、我々は生き延びるためにのみ戦う…。」というシビれる演説と、「人の人たるやさしさと力を示す。それが宇宙にまで進出した人類の責務…」覚醒が始まったかのようなバナージとユニコーン。そしてやっとフル・フロンタルの真の目的が明かされる。…内容的にはけっこう盛りだくさんで好きな巻なのですが、映像化の際には大幅にカットされてしまうのかな…?2012/09/07
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