内容説明
母の訃報に接しても祈子は動揺しなかった。生後まもなくの祈子を見捨て、連絡を絶っていた人だ。仕方なく遺品整理に出向いた先は圧倒されるほどの立派な洋館だった。邸内にあったパソコンを起動させる。「終わらせ人の館」。怪しげなサイトがモニタに映し出される。調べると母が悩み相談で報酬を得ていたことがわかる。新種の霊感商法だろうか。疑念は深まるが、やがて祈子は「終わらせ人」の恐ろしい秘密を知ることになる。現代版“必殺仕置人”ともいうべき傑作ホラー。
著者等紹介
松村比呂美[マツムラヒロミ]
1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補作2作を含む『女たちの殺意』で2005年デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kei302
55
アミの会メンバーの松村さんの作品、絶版本 KindleUnlimite「角川」ホラーを気にせずサクッと読んだ。ホラーではなく、軽めのオカルト、泣けるオカルト。幼児への虐待は現実でも似たようなことがある。祈子にメールしてお願いしたいと思った。2022/09/15
巨峰
49
「恨み忘れじ」の松村さんの新作。彼女の小説は現代の世話物というべき様相を持っていると思うのだが、今回は前作に比べるとやや甘いかなぁ。「強制終了人」としての能力を亡き母から受け継いだ女性の物語。能力ゆえにいろんな出来事に巻き込まれてしまうのだが、それをとおして、生前疎遠だった母の心がすこしづつわかってくるんだ。2011/05/24
はつばあば
43
音信不通だった母親が亡くなったと知らせを受けた祈子。葬儀も済ませて家を片付けに行った祈子は母親が霊能者として仕事をしていたことを知る。祈子自身にも自分ではわからない能力がある事に気付いている。DVの亭主とか子供への虐待、引きこもりの息子が家庭でどうしようもなく暴れて何年も‥と言う今の世の中に普通にいっぱいある事に対して・・穏やかに人生を終わらせてくれる人。それが「終わらせ人」一子相伝?。そりゃ子種は一回こっきりだもの、夫となる人は早死にしてしまうのですから。ホラーと言うよりこう言う人がいてもいいなと2022/08/13
なな
35
今邑彩さんのような作風で、私は、大好きです。終わらせ人 ほんとに面白くて一気読み。ぜひ コンプリートしたい作家さん。2017/03/05
くろにゃんこ
33
不思議な力ではあるけれどホラーでもないような…でも読みやすいです。展開が単純で深みがないのが残念(-_-;)たどり着けば終わらせてくれるって魅力的であり、ある意味怖い。2019/11/25