内容説明
15歳の「私」の主人は、数百年に1度といわれる呪詛の才を持つ、驕慢な美少女。「お前が私の玩具になれ。死ぬまで私を楽しませろ」親殺しの噂もあるその少女は、彼のひとがたに釘を打ち、あらゆる呪詛を用いて、少年を玩具のように扱うが…!?死をこえてなお「私」を縛りつけるものとは―。哀切な痛みに満ちた、珠玉の2編を収録。瑞々しい感性がえがきだす、死と少女たちの物語。第17回日本ホラー小説大賞短編賞受賞。
著者等紹介
伴名練[ハンナレン]
高知県生まれ、東京都在住。現在会社員。2010年、「少女禁区」で第17回日本ホラー小説大賞短編賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nobby
141
うん!これが伴名練のエモさなんだよね!相変わらず独特の世界観や設定に置いてきぼりにならない様に必死に追いすがった先に待ち受ける絶景と出逢う快感がたまらない(笑)ホラーというよりSFだけど間違いなくホラーでもある不思議な読み心地♬もう10年前の刊行時に、YouTube動画配信やVRを思わせる鮮明な描写をしているのが何ともスゴい!標題作「少女禁区」では散々、呪詛や鬼などのワードで不吉を漂わせながら、痛々しくも異世界との交信なんて不思議に導くのが上手い!そして最後に「左手の、薬指だった。」とは愛しさにヤラれた…2021/07/14
忠犬じろレポ
105
ラノベを最近読みすぎて、最初は取っ付きにくい文体でしたが『少女禁句』久々に不思議な世界観で楽しめました。最後は二人『あちら』の人間になってしまいましたが、幸せになれたのでしょうか?玩具にされてるのでは?彼にとって、それが幸せかも。きっとそうだよ。2013/09/12
財布にジャック
76
ホラーといえばホラーなんですが、思っていたような怖さではなくてビックリしました。これって、マゾ?これって、サド?ある意味、究極の愛が描かれているのでしょうか?ちょっと理解に苦しむ内容で、今まで読んだことない新感覚に戸惑いを隠せません。感想を書くのが非常に難しいです。ただ一言で言うなら、短編2作品ともに、なんとも哀しい愛の物語でした。2011/09/14
❁かな❁
72
伴名練さん初読み。この世界観好き。哀しく切ない物語だけど少女、少年が美しく儚い世界観がいい。表題作の「少女禁区」は第17回日本ホラー小説大賞短編集受賞。(「遠呪」を改題)ホラーという感じではなく怖いの苦手な私でも読みやすかった。痛々しく辛い場面も色々あるけど意外な展開でラストも素敵。「chocolate blood,biscuit hearts.」は昔に書かれたのにいまどきのお話で驚いた。すごい。装丁も綺麗。表現が美しくとても雰囲気のある作品。2編とも好み。『なめらかな世界と、その敵』も読んでみたいな。2021/06/18
みっぴー
63
二編収録されていて、ホラ大《少女禁区》は後ろの方です。一作目は、近未来が舞台?財閥の姉弟が家出をして自由になり、お金を稼ぐために私生活を売り物にする、という話です。ちょっと内容が良く理解できませんでした。二作目、呪いの話。天才的な呪術の才能を持つ少女と、少女の使用人というか、オモチャにされた男子の話です。無駄が無い、と言えばそれまでですが、村の中の様子や伝統行事、人々の暮らしぶりなど、もう少し詳しく書いてほしかったです。登場人物を含め、ややあっさりした印象を受けました。2017/07/20